雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【コード進行解説】内田真礼 ギミー!レボリューション

お久しぶりです。アレの影響で色んな現場が消えてメンブレしていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。ぼくは少なくとも向こう3か月の5現場が消えました。

まあ萎えていても仕方がないので今回は内田真礼さんの2nd シングル(ggった)「ギミー!レボリューション」のコード進行を解説していきます。

 

 

1.導入

Key=B♭majです。

作詞:こだまさおり 作曲:田淵智也 編曲:やしきん、お前はなんかの兵器か

 

2.イントロ

0サビは例によって後回し。ギターソロのところからIVM7→III7 | VIm7→IIm7→Vです。III7はV7/VIですがIII7 | VIm7でIIm7から見たツーファイブになってますね、そしてVIm7→IIm7もVから見たツーファイブ。最後はAメロのIへ続くツーファイブ。非常に美しい。このタイアップのアニメのタイトルってもしかして「俺、ツーファイブになります。」でしたっけ❓

これ書いてて思いましたが強進行の連続って書けば済みましたね。

 

3.Aメロ

I→VIIm7-5 | III7(V7/VI)→VIm7 | ♭VIm7→Vm7 | I7(V7/IV)→IVM7→♭VIM7→IIIm7 | VIm7→♭VI6 | V7/7

小倉唯さんの「アップル・ガール」を解説したときにも触れましたがカノン進行の変形ですね。今回はまた違う弄られ方がされているので見ていきましょう。

①カノン進行「I→V→VIm→IIIm→IV→I→IV→V」を用意する。

②ベースがダイアトニックに下降するように転回、または同じ機能をもつコードで代理する。(最後のIIm以外は特に決まりはないのでメロディーに合わせて柔軟に弄ります。)

I→V/7VImV→IV→IIImIIm→V

2小節目と4小節目のコードを、次の小節のコードに対するセカンダリドミナントのツーファイブで置き換え冒頭以外のコードをダイアトニックのセブンスコードにする

I→VIIm7-5 | III7(V7/VI)VIm7Vm7 | I7(V7/IV)IVM7IIIm7IIm7V7

VIm7とVm7との間を半音で繋ぐ♭VIm7を挿入し、マイナーセブンスの平行移動を作る。IIIm7をサブドミナントマイナーIVm7の代理である♭VIM7へ置き換え8小節目のコードへ強進行で向かうように7小節目のコードから2拍ずつコードチェンジさせる。

I→VIIm7-5 | III7(V7/VI)VIm7 | ♭VIm7Vm7 | I7(V7/IV)IVM7♭VIM7IIIm7 | VIm7IIm7V7

⑤8小節目のIIm7を裏コードのドミナントセブンスである♭VIへ置き換える。ついでに最後のV7を第1転回形にする。

I→VIIm7-5 | III7(V7/VI)VIm7 | ♭VIm7Vm7 | I7(V7/IV)IVM7♭VIM7IIIm7 | VIm7♭VI6 | V7/7

説明が無駄に長くて申し訳ないですが、これで原曲のコード進行になりました。

2巡目ではBメロ冒頭のVImに向かうために、最後のV7がV7/VIであるIII7に置き換えられています。

 

4.Bメロ

VIm→♭VIaug→I/5→II7/#4→IIm7 | V→III7/#5 | VIm7→♭VIIM7→♭VIIM7→V→III7/#5

まずは下降のクリシェですね。鍵盤で弾いていたらB♭とDを固定で下のみ動かすアレです。II7はIIm7を飛び越えてVへ向かっているような感じで、そしてVからIII7への進行ですが、強進行の連続ということもできますし、仮にVがV7で、その進行先IM7(9)のルート省略形であるIIIm7がメジャーになったもの、という見方もできると思います。

さあお待ちかねの♭VIIM7ですが、ここでモードが一時的にミクソリディアンになりますね。後半ではメロディがA♭ではなくAになっているので、コードはミクソリディアンだがメロディがアイオニアンに戻りかけている、というような状態になっています。

最後のIII7ですが、これの進行先VImを想定してベースを長3度下のE♭に置くとサビ冒頭のIVM7へ向かう、という流れになります。

 

5.サビ

IVM7→III7 | VIm7→IIm7 | III7→VIm7 | I/4→IVM7→III7 | VIm7→IIm7 | V7→I

前半はこうですね。イントロとほぼ同じなので大丈夫だと思います。

IVM7→III7 | VIm7→IIm7 | III7→VIm7 | I/4→VIIm7 | III7→V III7/#5 | VIm7→IIm7→V

後半ですが、VIIm7の登場で一時的にモードが変わり、Gメロディックマイナーの世界を感じますね。

 

6.間奏・Cメロ・ラスサビ

サビやBメロと同じなので省略。

 

7.アウトロ

YouTubeの方では文字でだらだらと

"B♭majだった曲が最後裏のEmajになってしまいますが、これは♭VI→♭VIIが短3度上のキーのIV→Vに一致することを利用してどんどん転調している感じですね。B♭majでの♭VI→♭VIIはG♭→A♭で、これはD♭majでのIV→Vであり。D♭majでの♭VI→♭VIIはB♭♭→C♭♭で、これは異名同音を利用するとEmajでのIV→Vに相当し、さらにEmajでの♭VI→♭VIIのC→Dを挟んでEに解決。これコード解説ブログに書けばよかったですね(?)"

とか書いていますが、図解するとこんな感じです。

f:id:RainGadgetMusic:20200406092306p:plain

 

以上です。MVが期間限定で公開らしいですね。