優等生のような楽曲ですねこれは。俊龍氏の楽曲は全体的にこういう傾向が強いですが、奇を衒わずに堅いものを作り上げるという、シンプルさの中に光る一撃を放つその手腕はなかなか真似できるものではありません。
1.導入
Key=Cmajです。転調はなし。
2.イントロ
IVM9→Vsus4→IIIm7→VIm→♭VIM9→ = →Vsus4→V→
I→V/7→VIm7→IIIm7→IVM7 | V→III7/#5 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→I
超綺麗なピアノとストリングスの絡みから進行して放たれる爽やかなギターソロ、素晴らしい。それは置いておいて、4536の後ろの♭VIM7はキーの♭6の音を含む3度堆積になるので、素直にサブドミナントマイナーだとわかります。
その後ろは1563、カノン進行ですね。俊龍氏はカノン進行で作るときは1565ではなく1563にする傾向にありますね、なんででしょう。4536をちょっといじってからのツーファイブワン。超王道です。
3.1A
I→V/7→VIm7→Vm7 | Vm7/1 IIIaug/♭5→IVM7→IIIm7 | VIm7→♭VIIM7→IVM7 | V→
I→VIIm7-5 | III7→VIm7→V | Isus4→IVM7 | V→IIIm7 | VIm→IIm7 | IIm7/5→IIm7/5 | I ♭V7(9.♭13)
俊龍氏らしいカノン進行をベースとしたものに編曲でコードが味付けされてる感じです。IIIaug/♭5や♭V7(9.♭13)はsubV7/IVということになりますね。♭VIIM7はプリドミナントの役割をもつコードで、もう頻出ですね。
2巡目はツーファイブ型のような見た目をしていますが、514の部分がダイアトニックコードのままとなっています。
4.Bメロ
IVM7→V7/4→IIIm7 | #Vdim7→VIm | V/7 I→IIm7→#IVm7-5→Vsus4→V
お手本のようなつなぎ方ですね。
5.サビ
I→V/7→Vm/♭7→VI7→IIm→IImM7→IIm7→V | III7/#5→VIm→♭VIaug→I/5→#IVm7-5→IIm7→II7/#4→Vsus4→V→
I→V/7→Vm/♭7→VI7→IIm→IImM7→IIm7→V | III7/#5→VIm→♭VIaug→I/5→#IVm7-5→IIm7→IIm7/5→Isus4→I
1→7→♭7→6と半音で下るあのパターンです。Vm→VI7はIIm7へのSDm→D、IImからIIm7にかけてはトップノートのクリシェ、VImから#IVm7-5にかけてはベースのクリシェです。
6.2A
I→V/7→VIm7→Vm7 | Vm7/1 IIIaug/♭5→IVM7→IIIm7 | VIm7→♭VIIM7→Vsus4 | V→
IVM7→V→IIIm7→VIm7→IVM7 | V→IIIm7 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→IIm7/5 | I ♭V7(9.♭13)
後半が一部変わっています。
7.Inter2
I→V/7→I7/♭7→IV/6→IVm/♭6→I/5→#IVm7-5→V7sus4 | V7→
I→V/7→VIm7→IIIm7→IVM7 | V→III7/#5 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→I
一般のカノン進行ともサビとも違う動き。15と来てV7/IVからSD、SDmに変化してTへ向かう動き、ベースクリシェ的に#4と、ベースが綺麗に半音で下る動きとコード間の色彩感がありつつスムーズな繋がりが実現されています。
8.Dメロ
IVM7→V→IIIm7→VIm7→IIm7→IIIm7→IVM7→II7/#4→V→
超素直な進行です。迷いようもなし。
9.DropC
I→V/7→Vm/♭7→VI7→IIm→♭IIaug→IV/1→V | III7/#5→...に変わっています。クリシェが転回されてベースが下るようになっています。
サブスクなし、YouTubeのMVもInter2で切るという初心者に不親切な仕様(ピンクの方の人は未だにサブスク解禁度合いが...)ですが、曲はマジでいいので是非聴いてほしいところです。