雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【雑記】声優アーティスト楽曲大賞2020

僭越ながら私もこの波に乗りまして偏見にまみれた耳で選ばせていただきました。確認してないですが全曲サブスクにもあるはずです。


1.Shake it up! - 麻倉もも

作詞:月丘りあ子 作編曲:アッシュ井上

収録アルバム:Agapanthus (2020年4月8日)

Gmajの頭サビで普通に曲が始まったかと思えばミクソリディアンのA,Bでとてもオシャレです。あと裏コードが入ってるのが個人的にすごく好みでした。この選曲の中ではこの曲だけのはずです。Good Job!とFanfare!!を合わせて強く、それでいてシンプルなサウンドに落とし込めている感があってお気に入りです。

 

2.You & I - 石原夏織

作詞:日南田あおば 作曲:本田正樹 編曲:やしきん

収録シングル:Against. (2020年11月4日)

一部界隈で人気爆上がり中の石原夏織さん。夏にはアルバムのインスト音源を配信で解禁したことでチームの信頼度がカンストしていました。正直インストを解禁しないのに何の意味があるのか理解できないので是非ともほかのアーティストさん方も解禁してほしいところですが、それはおいておいて。

やしきんさんのブラスアレンジが光る1曲です。UNISON SQUARE GARDEN「君の瞳に恋してない」、佐倉としたい大西「Radio time predator」など、やしきんさんがブラスアレンジを担当されている曲がいくつかありますが、特に経歴で金管をたどっていらっしゃるとかもないので一体このサウンドはどこから...と不思議になります。

表題曲のAgainst.がマイナーキー、ストリングスとギターの呼応、と全体的にかっこいい世界に仕上がっているのに対し、カップリングのこちらでは一転はじけるポップチューン。

あと恋模様の楽曲でD♭ってのが分かり手ですね、悩んでる感じのニュアンスが一番よく映えるキーだと個人的に思っています。

現時点で当落が出ていないでの何も分かりませんが、CDを買ってシリアル打ち込んで現場に応募したので、遊びに行けると嬉しいです。

 

3.キミのとなりで - 鬼頭明里

作詞:こだまさおり 作編曲:伊藤翼

収録シングル:キミのとなりで (2020年10月28日)

一部の界隈では早く鬼頭さんに伊藤翼が来ないかとか言われていたらしいですね。ストリングスやピアノなどを打ち込みで済まさず楽器レコーディングを多めに作るのが伊藤さんのスタイルですが、今回もそれが存分に生かされている形になっていますね。伊藤さんの曲はきちんとアニソンシーンという範疇に収まっていながら、どこか中心軸がずれているような(別にどちらがずれているとかはないですが)、カタルシスを感じる部分が違うんだろうな、というサウンド感の曲が多くて、不思議な気持ちになりながらもいつもとは異なる満足感が得られてとてもいいです。

 

4.歩いていこう! - 東山奈央

作詞・作曲:川嶋あい 編曲:伊賀拓郎

収録シングル:歩いていこう! (2020年2月5日)

2019年4月発売の2ndアルバムでは2曲の作曲を手掛けていましたが、今回はお休み。

ピアノとストリングスが美しく奏でる前で映える伸びやかなボーカル。強烈なフックが仕掛けられているとかではないですが、単純に聞いていたくなるような、「素敵な」という言葉が似合いそうな曲です。

 

5.翼と告白 - 富田美憂

作詞:只野菜摘 作編曲:睦月周平

収録シングル:翼と告白 (2020年6月3日)

こういう曲好き~~~ってイントロでなるタイプでした。前作の「Present Moment」のサウンドを継承しながらより重層感の増した曲になっていると感じます。
この曲はAmajなんですが、1曲を通して解決する、つまりAmajに落ち着くという瞬間がありません。強いメロディラインや美しいストリングスの動きなどとは対照的に和声的にはどこか浮遊感のある世界になっています。

 

6.アンチテーゼ - 夏川椎菜

作詞・作曲・編曲:すりぃ

収録シングル:アンチテーゼ (2020年9月9日)

あのTBCに絶賛されるほどの歌詞を書き上げる能力のある夏川椎菜が歌詞まで書いてもらうなんて相当な歌詞がやってくるんだろう、と身構えていましたが、ステテクレバーを数倍濃くしたようなものが降ってきて床になってしまいました。抜けのいいドラムに呼応するギター、ドラムのみならず、夏川椎菜の世界を彩る電子音。最高です。

ジャンキーナイトオーケストラというすりぃさん作曲のボカロ曲をコピーで歌った後にこのシングルの制作が発表されたのがはるか昔のように感じますがね。

 

7.Well Wishing Word - 水瀬いのり

作詞・作曲・編曲:栁舘周平

収録シングル:ココロソマリ (2020年2月5日)

初代WWWこと「Winter Wonder Wander」に続く柳舘周平氏によるWWW第2作。前作のアレンジはF.M.Fの先輩である奈良悠樹氏によるものでしたが、今回はすべてを担当。恋愛をテーマにした曲でありながらどこか物語チックなサウンドでポップな世界観。そんなAメロから続くBメロはメースとピアノの掛け合い、通常は楽器パートをメインに据える間奏部分はスキャットを乗せるなど、終始楽しいナンバーです。歌詞も本人が言ってそうですよね、「将来ずっと一緒なんて誓えません」って。

 

8.大冒険をよろしく - DIALOGUE+

作詞・作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太

収録アルバム:DREAMY-LOGUE (2020年4月8日)

もうこれは文句ないでしょう。田淵智也氏の自身のライブでの動きをそのまま体現したようなすべての楽器が元気よく動く一曲です。メロディの方向性としてはかの大人気ラジオ番組「佐倉としたい大西」にQ-MHz名義で楽曲提供した「Radio time predator」に似ています。

パワフルなメロディに合わさる堀江晶太氏のアレンジ。私はピアノのラインがお気に入りです。ただこの辺は某サイトの方が正確かつ多くの情報を詰めていらっしゃる(楽曲レビューで1万字ですからね)ので、そちらを読まれることをお勧めします。

2020年、こんなに物量の暴力でポジティブな楽曲がほかにありましたか?って質問を本気で投げられるくらいの詰めこまれ具合。

さあ、こんな大冒険をよろしくですが、MVだけでなく歌っているところも聞いて多動したいですよね、したくありませんか?

なんとこんなイベントがあります。

DIALOGUE+PARTY 2021「ぼくたちの現在地」

dialogue-music.jp

年始からイベントがあるって最高ですね。しかも今までに発売された3枚のCDに収録されている9曲に加え、8月の新曲発表公演にて披露された新曲5曲、そして2021年1月より放送開始のTVアニメ「弱キャラ友崎くん」のOP, EDの2曲の合計16曲が披露されてしまうんではないかと思われます。

現地は7000円ですが、ZAIKOでの配信はなんと1000円。なんか壊れてますね。

しかも公演時間は70分、なんでですかね。TIFオンラインの時もそうでしたが、持ち時間をすべて曲に割き、曲繋ぎの時間は1秒、もちろんそんな曲間では喋らずイントロでMC(?)というバキバキのセットリストを組んでくることが予想されます。

今は追加公演分のチケットが一般販売されているみたいなので、どうぞお早めに。歌と踊りを全力でがんばる姿を多くの人に目撃してほしいと思っています。