雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【ライブ感想】DIALOGUE+ PARTY 2021 ぼくたちの現在地

2021年もDIALOGUE+はジェッ飛ばしていくぞ!という目標に恥じぬイベントを年始早々目撃してしまいました。感想回です。DIALOGUE+JAM Vol.2の3倍くらい多動してバキバキになった四肢と格闘しながらキーボードを叩いています。

の前に。

全曲パフォーマンス編の1部をまだ見ていないそこのあなた!私は決して断じて絶対損はさせないので1000円のアーカイブ配信を見てください。ZAIKOさんにて販売中です。

2部(3000円)はメンバーによる新年会、3部(4000円)はプロデューサーのおじさんたちやコリオグラファーの沢口かなみ先生、MV監督の安井さん、VJのルーツさん、ポニーキャニオンのプロモーション担当の坂本さんが出演されています。

dialogue-music.zaiko.io

 

DIALOGUE+の楽曲披露のスタイルといえば、必要な繋ぎを除いて「MCなし」が基本。今回もやってくれました。というか16曲70分でどこに喋る暇あるんって感じですがね。

「ぼくたちの現在地」というイベントタイトルからも何となくわかる通り、過去を振り返りつつ、重ねた月日を経て成長したDIALOGUE+を披露する構成となっていましたね。

昼は最前(ありがとうございます!)だったのである程度ダンスや表情も見つつ、夜は12列目だったので全てを解放という同じライブでも違う楽しみ方ができました。

 

2019年6月24日結成。期待と不安を胸にCDデビューへ踏み出していった様子を振り返る村上まなつさんのナレーションでスタートです。

 

M1.はじめてのかくめい!

作詞・作曲:田淵智也 編曲:田中秀和

原点にして最難関クラスの楽曲もかなりモノにしてきましたね。DIALOGUE+JAM Vol.2の時点で歌唱に関してはほとんど崩れているところがないな、という印象でしたが、今回で残っていた弱点を全て潰し切った感があります。しかもダンスつきですからね。

「不可能はなし、絶望もなし」

「ほらぼくらについてこようぜ、ワクワクてんこ盛りなんだ」

「ほらぼくらについてこようぜ、損は絶対させないさ」

「やらいんならないで苦しまないよ、だけどやんなきゃ未来は来やしないんだ」

何があろうとひたすら勢いをもって進み続ける決意を最初に宣言して実行し続けるDIALOGUE+、最高ですね。

 

M2.ダイアローグ+インビテーション!

作詞・作曲:ZAQ 編曲:堀江晶太

D+JAM Vol.1に参戦していないので現地で浴びるのは初めてだったんですが、案の定イマジュンさんのようになってしまいました。ギターソロパートの各々のアピールシーンをしっかり見られたのが個人的にすごくよかったです(語彙力)

中の人は運が良いのか悪いのかわかりませんが、例の病気が流行る時期と重なるように曲中でのコールあまりやりたくない派に転向したのもあって声出し禁止に関しては束縛されている感覚がないんですが、メンバーコールや「せーの!」だけはやってあげたいな〜という気持ちで複雑です。

 

ここまでが1stシングルのパート。ミニアルバム「DREAMY-LOGUE」の制作や「DIALOGUE+JAM Vol.1」により経験値を積んだ8人を、飯塚麻結さんと宮原颯希さんが振り返ります。そしてここから先の曲は夏花火以外は生では初披露となっています。

 

M3.大冒険をよろしく

作詞・作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太

いや、ちょっと待ってくれ。正気か? 多動曲→多動曲→多動曲の繋ぎは勘弁してほしい(建前)、ありがとうございます(本音)。「ハナマルあげたいです」で頭を抱えると同時に普通に泣いて泣きながら大多動していました(?)。そしてこの曲で四肢と首を無事破壊しました。

「ぼくたちのかくめい!オンライン」のときは制作からそれほど時間が経過していないのもあって未達な点が多く見られましたが、1年の成長というのは素晴らしいですね。BPM208で鬼のように展開するメロディと決して簡単ではないダンスに喰らいついていく姿が本当に輝いていました。アウトロのトゥルエン感がまたずるいですよね...。出すのに苦労していたF5の音を複数曲で歌唱してきた結果難なく出せるようになってしまっている、本当にどこまでも成長していってくれます。

 

M4.好きだよ、好き。

作詞・作曲:田淵智也 編曲:佐藤純一

温度差で風邪をひきそうです。情感たっぷりに歌う姿に引き込まれていきます。上記の3曲もそうですが、上のスクリーンにMVが流れていて、それも相まって色々と刺さるものがありました。夜は大冒険で全てを解放してしまったせいでこの曲の半分くらい地蔵タイムになってしまったのが悔やまれますが、これは昼に最前でしっかりと目に焼き付けられたのでよしとします。

「きみがぼくを嫌いになるときはぼくが夢を捨ててしまうときだ」

「だから、そんな日が来ないように今を歌い続けよう」

DIALOGUE+チームはユーザーの心理をめちゃくちゃわかっていますね(とてもいい意味です)、ワクワクを常に提供しつづける姿勢が曲調を変えても脈々と歌われ続けています。

 

M5.トークトークトーク

作詞:大胡田なつき 作曲:田淵智也 編曲:中山真斗

おもちゃ箱のようなアレンジに遊園地をイメージしたという振りの組み合わせ。今回のイベントでいちばん視覚的に楽しかった曲かもしれません。

「だって逃せない、瞬きの間も惜しいくらいだよね」

次から次に楽しいことを打ち出していくDIALOGUE+さんの話ですか?

最後のティンパニの音だけ小さかったのが個人的にツボでした(?)

 

M6.Domestic Force!!

作詞:津野米咲 作曲:田淵智也 編曲:eba

激しいダンスのあるEDMという異色の楽曲。宮原さんと飯塚さんのサビ前のソロパートの迫力が凄まじくて圧倒されてしまいました。緒方佑奈さんの2A前の「スコンッ!」にぴったりとあった動きに感動したり、守屋さんの「おいでよ孤独ゥ」に背筋がゾクゾクしたりと、本当に生で浴びられてよかった楽曲上位に食い込んできます。

 

M7.パジャマdeパーティー

作詞:三森すずこ 作曲:田淵智也 編曲:園田健太郎

緒方佑奈さんの「スタート!」いただきました。DIALOGUE+の曲の中でいちばん可愛さの弾けた楽曲だと思っております。岸田勇気さんという方がピアノを弾いていらっしゃるんですが、そのサウンドがとても華やかでついついエアピアノをしてしまいます(エアじゃなくて弾けるようになりなさい)

緒方佑奈さんの話ばっかしてる気がしますが、間奏部分で「1・2・3!」から前に出てきてソロで踊る箇所が本当に綺麗で素晴らしかったです。

この曲は最後ドラムの「ダカダンッ!」で終わるんですが、それに合わせた宮原さんの首の動きがガクン!って感じで面白かったです。

 

M8.ぼくらは素敵だ

作詞・作曲:田淵智也 編曲:広川恵一

8人が半円状になって向かい合ってるシーンですでに感動ものなんですが、さらにハモリをバッチリキメてしまう。あとこの曲には振りという振りがないらしく、各々の考える楽曲の世界観やストーリーに沿った動きをしているのがいいですね。笑顔で歌うメンバーもいれば、言い聞かせるように、語りかけるように歌うメンバー、情感たっぷりだったり、全身で溢れる思いを表現するメンバーもいて。追加公演を見たときに宮原さんは泣いているのでは?と思ってしまうくらいにはすごかったです。

 

ここで鷹村彩花さんと緒方佑奈さんのナレーション。大きく変わってしまった情勢にもかかわらず、止まらずに活動を続けるために知恵と努力を重ねて、逆境の中でも成長した様子を振り返っています。

 

M9.あたりまえだから

作詞・作曲:田淵智也 編曲:広川恵一

昼はここで決壊してしまったんですが、歌い出しの緒方佑奈さんが泣きそうになってて。もらってしまいましたね。2020年のDIALOGUE+の曲でツートップに君臨する曲の片割れは誰が選んでもこの曲だと確信しています。全てが良すぎて「いい曲!」という語彙力のない感想しか出てこないが悔しいですが、また最前ならではの体験を申し上げると、間奏で鷹村さんと宮原さんが手を合わせる音が聞こえるんですね。これがすごくよかったです。

あとは「ひとつ、ふたつ、...」に合わせて点灯するメンバーカラーのスポットライトの感動の確定演出。最高でした。

 

ここから5曲は2020年8月21日、25日にオンラインで開催された新曲発表公演「走れ!君と曖昧な光のあとで」にて披露されたもの。

説明会zoomにて田淵氏が「声優アーティストってアルバムツアーみたいなの組みがちだけど、曲あるならやればいいじゃん」という考えを表明していて、声優音楽のオタクになってからアルバムツアーとFCイベントにしか参加してこなかった中の人的には色々と気づかされるコンテンツだなあというのをこの時期には特に感じていました。

楽曲を補完する朗読劇にセンターボーカル制と新しい試みを入れた新鮮なイベントでした。ていうかDIALOGUE+のやることはスタッフトークなど含め全部最近の声優アーティストでは見られないようなことばかりなのでとても楽しませていただいております。

 

M10.謎解きはキスのあとで

作詞:竹内サティフォ 作曲:ONIGAWARA 編曲:ONIGAWARA, 伊藤翼

ザ・王道曲という感じでめちゃくちゃ好きなやつです。楽曲のコード進行が好きとかいう奇特なファンなのでBメロのIVM7-IVmM7-IIIm7-♭IIIdim7がいいんだよとか言い出したら止まらないですが今回はそういう記事ではないのでやめておきます。

現地で見る傘の中で何かしてるシーン、非常によろしい。宮原さんの歌のニュアンスが向上していたのはさることながら、内山さんの伸び代が非常に大きかったなあと感じた1曲でした。ちなみに大冒険のところで触れたF5の出る曲のうちの1つです。はじめてのかくめい!やあたりまえだからのブラスは打ち込みですが、この楽曲や大冒険をよろしくについては生音ということもあり、いつかブラスを入れてのライブも見ていたいなあなんて思っていたりします。

 

M11.走れ

作詞:佐々木亮介 作曲:ZAQ 編曲:eba

これは2月3日に発売予定の2ndシングル「人生イージー?」のカップリングに収録される予定となっています。ebaさんが編曲料をほぼ全て注ぎ込んだとおっしゃっていたギターの音が入っています。

3部にて8月の公演の様子が一部流されていましたが、歌唱力の成長度合いがはっきりと感じられる曲でした。田淵氏が3部にて「鷹村さんはノってくるとピッチやリズムを外してしまいがちなので、2021年の目標はそれをなくすことだ」とおっしゃっていましたが、リズムに関しては修正できるようになってきた、そしてピッチに関しては確かに外すところはあるが、公演でも見られた通りDメロをめちゃくちゃかっこよくキメるところなんかを見ると、釣り合いが撮れるどころか寧ろお釣りがくるのではないか?というのを素人ながら感じています。

このセトリの流れだといままで多少守り感のあった稗田さんのボーカルが全開放されに来ててうれしかったです。歌がいいという理由で稗田寧々さんを推しているので。

 

M12.I my me mind

作詞:大胡田なつき 作曲:田淵智也, 広川恵一 編曲:広川恵一

ダンスが激映えする2人のセンター曲。飯塚さん歌うっまっとなるのもそうなんですが、DIALOGUE+JAM Vol.2で実感した緒方佑奈さんの歌の上達具合を身をもって実感できる楽曲でした。DIALOGUE+の楽曲に変拍子ものはありますが、キメのタイミングがビート通りではないのってそうそうないですよね。それを綺麗に歌って踊りこなすスキルを身につけてきちんとパファーマンスするレベルにまで来たんだなあと甚く感動していました。

 

M13.20xxMUEの光

作詞:やしきん 作曲:田淵智也 編曲:やしきん

TIF2020でも披露されたこの楽曲。DIALOGUE+を強く印象づけるためにとても有効なものだったと思っています。BPM220、何を言っているのかわからない歌詞、民族大移動みたいな振り。これはJAM 2の感想戦でもPのお2人がおっしゃっていましたが、守屋さんがバテることなく最後まで形を保ってパフォーマンスしていて、村上さんも自分の持ち寄ったアイデアを磨いて作ったこの曲をブレなく表現することに、このあとにも曲は続くのに力を注いでいてマジで輝かしいな...という感じでした。この曲のワクワク感、ワチャワチャ感を表現できるのは確かにこの2人だなあと妙にしみじみしました。

 

M14.夏の花火と君と青

作詞:本間翔太, 田淵智也 作曲:瀬名航 編曲:瀬名航, 伊藤翼

以上4曲はまだ音源化されていないものですが、この曲は安心してください、配信限定ではありますがリリースされています。

20xxから休憩なしで今度は和要素のある振りをしなやかに披露するの本当にHPの底が見えないですね。

イントロのモチーフがとても印象的でこれもエアピアノしてしまうやつです。いい加減弾けるようになりたいですね。1C前のねねソロ、バッチリ決まってて流石〜〜〜〜になっていました。音的な展開もそうなんですが、1曲を通して描かれる心の動きが本当に細やかで素晴らしい。好きなコードの部分は「続きから始められるかな」のところです。この曲で最もエモいと勝手に思っています。

 

ここで最後のナレーション。TIFやDIALOGUE+JAM Vol.2の思い出を稗田寧々さんが、これまでの総括を内山悠里菜さんが担当しています。

 

M15.あやふわアスタリスク

作詞・作曲:田淵智也 編曲:広川恵一

「現在地」のフラグ回収楽曲です。歌い出しは我らが稗田さん。フォーメーションが次々と変わる楽曲で、音楽、ダンスともに全く新しいものが降ってきて脳のCAPACITY超えてしまいました。いまこのブログもアーカイブを見ながら書いているんですが、配信されている間は見続けて来る音源公開に備えたいと思います。

そしてこの楽曲が、F5の出る曲の最後の1つです。2C直前にあります。

 

M16.人生イージー

作詞・作曲:田淵智也 編曲:田中秀和

「よろしくお願いします!」からのシッシーレッレーミーミミッファーがシームレスすぎて叫び声をあげそうになりました。最後まで曲繋ぎ過激ですね。

「大人になるまで」の振りが親子参加コンビなのすごくいいですね、すごくいい。

2Aの稗田さんは概ねMV通りの顔をしていて完成度の高さが伺えますし、個人的にすごく好きな2Bの緒方佑奈さんのソロパートが本当に美しくて感激しました。 MVでいうと2C前はメンバーのスキルがアップするシーンなんですが、それに合わせてサビ前のF F Gのキメのピアノの音がオクターブ上に追加されてるんですよね。ここがマジで推しポイントです。

そして最後のYes!で肘を肘掛に強打しました。ここまで怪我なしだったのにやってしまいました。対戦ありがとうございました。

 

今回は緊急事態宣言下、各種イベントが再び中止ないし延期となる中、eplusで現地チケットを購入された方は田淵氏のお言葉も読まれたかと思いますが、莫大な熱意をもってこのイベントを開催してくださったことに本当に感謝しています。

そしてメンバーの皆さんが歌って踊っているのを拝見したのはDIALOGUE+JAM Vol.2以来3ヶ月ぶりで、この間にもちろん声優業のお仕事もたくさんあったでしょうし、まだ存在すら明らかになっていない楽曲たちの練習などもある多忙なスケジュールを縫って、ただ曲を歌うだけではないこの簡単なイベントを成長を実感させながら成功させてくださったことにとても感動しました。「頑張る」ことを見せるのはかっこよくないだろうという意見ももちろん一般論としてあるでしょうが、「あ、こんなに頑張ってるし頑張ったなりに伸びまくってるな」という感想を抱かせ、ユーザーはおろかスタッフの方々にまで悔しい、負けるものかとさえ思わせる圧巻のパフォーマンス。これがDIALOGUE+の唯一性でありいちばんの魅力だと思っています。

デビューから今までの時を経て大きくステップアップしたDIALOGUE+を目撃できて本当に幸せでした。次のイベントを心から楽しみにしています。メンバーの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

 

P.S.

田淵智也さん、3部にてハッシュタグを漁り、中の人および個人的に仲良くさせていただいているフォロワーのツイートを読み上げてくださり、ありがとうございました。

ボーカルに被る帯域は弱くしていることを失念しており申し訳ありません、精進します。