雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【コード進行解説】DIALOGUE+ おもいでしりとり

2nd,3rdシングルの熱も冷めやらぬ中、4thシングルの一部が本日より先行配信でございます、DIALOGUE+の「おもいでしりとり」を耳コピしたので早速紐解いていきましょう。

もう入りのピアノからそれはそれは完全神曲の風貌を漂わせ(ry

 

 

1.導入

全体通してKey=G♭majです。転調はありません。

 

2.Pre-intro

IVM7→Vsus4→I/3→VIm7 | = VI7/#1→IIm7 | V→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→V7(♭9) | V→(I)

4536に始まり、TBC定番の2536で殴ってくるアレです。6→2をよりスムーズに繋げるために後ろ1拍をメジャーにして転回、♭VIIのところはIIIm7-5/♭7でもVm7/♭7でも♭VII6でもいいですがまあそういう音です。25の♭9はクラクトリトルプライドを彷彿とさせますね。(編曲者違いますけど)

 

3.Intro

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→I→IIm7-5/5

3456は順次進行なのでいいとして、♭VIIからのやつでまたしてもコード魔神にやられてしまったかと思いましたが、全体的な展開として♭7 ♭6 5という動きに変進行を追加したものになっています。ストリングスがトップノートとして6 3 5 2 4と下がる方向に行っているのが分かりやすいですね。

 

4.1A/2A

I/3→IV→V→VIm→I/3→→IV→V→VIm

I/3→IVM7→V→#Vdim7→VIm7 | V→IVM7→I/3→IIm7 | IIm7/5→IVm | I

3456を2回やって2巡目に入りますが、2巡目では後半を6から下るために前半の最後が#Vdim7に、そしてフレーズ終わりでもVからいきなり解決せずサブドミナントマイナーを挟む流れになっています。

2Aは2段目のみです。

 

5-1.1B

VIm7→IIIm7→IVM7→I | VI7/#1→IIm7→IIm7/5→♭VIaug→♭VII

6341はカノン進行の一部ですね、♭VIaugでビビる人がいるかもしれませんが単純に♭VIが飾られているだけです。

 

5-2.2B

VIm7→IIIm7→IVM7→I | VI7/#1→IIm7→IIm7/5→

IVM7 IIIm7 ♭IIIM7→IIm7 | IIm7/5→♭VI→♭VII | #IVm7-5

2Cへの入り方を変える、楽曲構成上とてもTBCを感じる要素です。

25から♭VI ♭VIIを目指して動くのは変わりませんが、まず間に4から2までM7とm7を交互に繰り返して半音で下る進行が挿入されています。

最後の#4ですがこれは裏コードではなく次のIVM7へのアプローチコードとして見てよいでしょう。

 

6.1C/2C/3C

IVM7→IIm7/5→IIIm7→VIm7→IIm7→IIm7/5→Vm7/♭7→I7 | VI7/#1→

IIm7→IIm7/5→IIIm7 | III7/#5→VIm7 | VI7/#1→IIm7 | V V/4→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→V7(♭9) | V

前半は453625、そしてIVに対するツーファイブみたいなことをやってほーんと流していたら、これは見せかけで2へのセカンダリドミナントが本命、という感じですね。I7の後にVI7を持ってくるのは短3度下降ですが、なぜこれが行えるのかというと、この2つのコードの構成音が、異名同音で同じスケールに同居しているからです。

ハーフホールディミニッシュスケール、いわゆるコンディミというスケールで、1, ♭9, ♯9, 3, ♯11, 5, 13, ♭7で構成されています。G♭を1とすると、()内を異名同音で書くとして、

G♭, A♭♭(G), A, B♭, C, D♭, E♭, F♭(E)

となり、G♭7の他にその短3度下のE♭7が異名同音で現れます。

後半も骨だけ書くと2536253625ですがメロディの綺麗さとリハモが相まってとても美しいサウンドになっています、素晴らしい。

1Cと2Cは全く同じです。3Cは最後の2小節が繰り返しになっています。

 

7.Inter1

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→♭VIaug/♭7

1番と2番の間奏は途中まで完全にイントロと同じなんですが、聞き流していると痛い目に遭います。♭VIaug/♭7は♭VII7から作ることのできるblkコードなので、サブドミナントマイナーということになります。イントロの末尾はIIm7-5/5で、分類上はドミナントですがサブドミナントマイナーの性格も併せ持っているコードでした。つまり1番と2番で大きく違っているということはないです。

 

8.Dメロ

I/3 IVM7 V→=→V #Vdim7 VIm7→= x4→

VIIdim7→III7→VIm7→II7→IIm7 | V→IIIm7 VI7→IIm7→IVmM7 | V

前半の歌無しパートは3 4 5 #5 6の階段、後半は6への25の変形、6から2536へ向かう定番の動きですが、II7を挟んで音にアクセントがついています。いやあそれにしてもここの2536の3連符が本当にずるいですよね。最後は単純な25ではなくサブドミナントマイナーIVmM7が挟まっています。

 

9.Inter2

IV→V→IIIm7→VIm7→IIm7→I/3→IVm7→V | I/5 #IVm7-5

ギターソロです。睦月周平さんのギターソロということで、弊ブログの記事でもとりあげたことのある某コロムビアのアーティストさんの曲を彷彿とさせるものです。興味のある方は聞いてみてください。

それはさておき、コード進行は極めて単純です。45362345ですが、サブドミナントマイナーがDメロにでてきたIVmM7ではなくIVm7が選択されています。

 

10.DropC

IV→Vsus4→IIIm7→VIm7→IIm7→Vsus4→♭VII→I | VI7/#1→

IIm7→IIm7/5→IIIm7 | III7/#5→VIm7 | VI7/#1→IIm7 | V V/4→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→IIm7-5/5

おおむね一般のサビを踏襲していますが、やはり最後のIIm7-5/5が耳につきますね。V7(♭9)ではなくV7sus♭9を選択するということに大いに感謝しています(???)

 

11.Outro

I/3→IVM7→V→VIm7→I/3→IVM7→V→VIm7→

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→

♭IIM7 ♭VIM7 VIIM7→♭VM7 | ♭IVm7/♭VI→IM7

イントロと同じ進行を3回繰り返してM7攻撃に入りますが、3段目の物は単に1番や2番のものを短3度上げたものですね。

 

以上です。

MVも素晴らしかったです。毎度毎度神曲を本当にありがとうございます。