雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【雑記】声優アーティスト楽曲大賞2021

今年も偏見にまみれた耳で選んでいこうと思います。調べてませんが全曲サブスクにもあるはずです。去年もですがナンバリングに特に意味はないです。確認したところどうやらアーティストの五十音順だったっぽいですが。今回は多分思い浮かんだ順です。コメントの長さは肩入れしてる具合がなんか露骨に出てしまっている気がしますが、それが曲の好き度合いの順列と同じといったことは全くありませんのでご容赦ください。

ポニーキャニオンおよび日本コロムビア出版の楽曲はYouTube外での再生が禁止されているので、動画を埋め込んではありますがこのページで再生することはできません。YouTubeに飛んで再生してください。


1.クラクトリトルプライド - 夏川椎菜

作詞:夏川椎菜 作曲:田淵智也 編曲:HAMA-kgn

収録シングル:クラクトリトルプライド (2021年1月9日)

いや、作詞の天才・夏川椎菜、メロディの天才・田淵智也夏川椎菜サウンドの三銃士のうちの1人、HAMA-kgn(天才)が集まったらそら天才なものができてしまうわけですよ、素晴らしい。三人寄らずとも文殊の知恵、三人寄らば新たな文明が生まれてしまいます(?????)

入りのAメロからもう田淵さんのメロディの波動がバリッバリに出ているのはもちろん、1BやDの7拍子、1Cと2Cの入り方が違うといったいつもの田淵さん要素が強くアニソンTBCが大好きな方に刺さるのは間違いなし。

それに被さってくるHAMA-kgnさんのアレンジがまた美味しくて美味しくて。ステテクレバーなどでも聴くことのできるニョエ〜と唸るギター(伝われ)や、バンドサウンドにほどよくマッチするシンセの音、緩急の気持ちいいリズム。

歌詞は夏川椎菜さん本人によるもの。シングルの表題曲を書くのは記憶が正しければこれが初めてのはずですが、今までのアーティスト活動のロック魂を踏襲し包み込み、そしてそれをポップに昇華する素敵なリリック。

あとこれは誰が考案したのか分かりませんが、3Cのあとに3Aをシームレスに繋げる泣きの確定演出、本当に最高です。

ありがとうございます(大声)。ライブツアー「Pre-2nd」の福岡、愛知、羽田、東京と参加させていただきましたがとてもよかったです(語彙力)

 

2.人生イージー? - DIALOGUE+

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:田中秀和 (MONACA)

収録シングル:人生イージー? (2021年2月3日)

これを入れない手はないんですよ。まあまずキモい話をすると、2020年10月10日のDIALOGUE+JAMで2nd, 3rdシングルの発売が告知され、夜にティザームービーが上がり、この楽曲の一部が公開されたわけです。普通に1Cが公開されるんですが、今度は12月8日にインロが公開されました。キーが違うんですよ。1CはC、イントロはB♭。ああどっかで全音転調するのねって当時は思っていました。でもイントロの最後がFaug Eaug E♭aug Daug Daug/A♭で、これってGの半音上のドミナントセブンスに向かって半音でaugで下がってるわけじゃないですか。ここにその兆候はあったんですよね。なんとAメロはGでした。そんな調の渡り方あるんですね。

そんな話は置いておいて、とにかくリハモが秀和さんで気持ちいいんですよね。わかりやすい骨組みの上に豪華な飾り付けをする編曲が本当にすばらしい。オススメはDメロです。いろんなところで散々書いているので割愛しますが。

メロディも展開もすごいですよね、UNISON SQUARE GARDENとかにも変な(変ではない)譜割の曲はありますが、「数値が決まってるんだきっと」の部分とか「たまにじゃないくらいにすれ違うんだ」とか理解するのに1分くらいかかってしまいましたし、極め付けは2Aですよね。こんなんありなんだ(全てを受け入れることしかできない顔)

そして歌詞、田淵さんの詞って四字熟語とかそうでなくても難しめの言葉が入っていたりするんですが、「虎視淡々」とか歌詞に使いますか?「がんばってないのはキミの甘えだ」はすごすぎてごめんなさいって感じです(汗

でもこれがんばってないのはキミの甘えだというDIALOGUE+チームの発する言葉に妙に説得力があるので不思議なものですよね。長くなりそうなのでこの辺にしておきます。

 

3.花咲く僕らのアンサーを - DIALOGUE+

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:広川恵一 (MONACA)

収録シングル:あやふわアスタリスク (2021年2月3日)

いや、この曲は本当に全楽器生で聞きたい。100万円の音がします。

ここに挙げているストリングスが使われている曲の中で最もオーケストラ感の強い曲(栁舘周平さんの曲より強いです)で、管、弦、ピアノの呼応を全く邪魔することなくギター、ベース、ドラムが入っているのが本当にすごいです。どうなってるんだ。

カップリングなのにDIALOGUE+の自己紹介ソングですと言っても差し支えないくらいの歌詞、それにピッタリ沿った歌割り(こういうハマってるのがあるとユニットって気持ちいいよねってなります)、ユニゾン多めなところもいいですよね。ここはみんな同じ気持ちなんだ!感が出て非常にいいと思います。自称最強たちの躍進がこれからも楽しみです。

 

4.No.6 - 伊藤美来

作詞・作曲:園田健太郎 編曲:千葉岳洋

収録シングル:No.6 (2021年4月28日)

TBCを連続させてしまったのでこの辺で頭を冷やすとしましょう。

冒頭からブラスバンド木管系の音が入っていてジャジーでオシャレな雰囲気を出しつつ、アニソンのメロディーの波やコード進行、全体の構成からは全く外れていないという曲です。

2Cが終わった後にDメロやソロを持ってくるのはよくある形ですが、楽器のアピールがあるの完全にセッションのアドリブソロって感じでニヤニヤしますね。いつか生バンドでライブやってくれないかなあ(とはいいつつストリングスやブラスは同期のことがほとんどですが)

華やかなサウンドに全く負けないボーカルがちゃんと軸になっているのも素敵です。ボーカルも楽器の一部と捉えて濁してミックスする曲もあってどちらも等しく尊いものだと思いますが、ここでは声を立ててオシャレジャズとアニソンシーンのきれいな融合が聞けてとても幸せです。

 

5.おもいでしりとり - DIALOGUE+

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:睦月周平

収録シングル:おもいでしりとり  (2021年5月19日)

いやあまたDIALOGUE+ですいませんねえ。でもこれを入れない手はないんですよ。聞いてくださいよこのあまりにも美しいメロディーを。これが美術館に飾れないのが勿体ないくらいです(???)

まずこの曲ボーカルディレクションがあまりにも完璧なんですよ、入りからして良すぎて引き込まれてしまいました。

そしていきなりサビのソロの歌詞でしりとりを始めてしまうなんて誰が思いつくんでしょうか。この天才的なアイデアが浮かんだ瞬間の「やった〜」って喜んでいるTBCを想像したら笑顔になってしまいます。

スタートは忘れちゃうの「う」だと思うんですが、そこから

「うれしい」「いつもありがとね」「ねえちゃんと見て」「たを、つなぎたぁぁぁい!はぁぁぁっ(🥺)」「行かないで」「できるだけそばに」「似た者同士だ」「抱きしめたい」「いっぱい考えてさ」「探し出したんだ」「だから聞いてほしいです」「好きです」「すごく綺麗」「今なら分かるよ」「欲張りでいい」「一緒にいよう」

最後「う」で終わっているので入ってさえしまえばサイクリックしりとりができるわけですね。

MVの平仮名を渡す造作も、しりとりになるようにソロパートの歌唱担当者が渡していてギミックまみれです。これは監督の安井さんに感謝ですね。

メロディとコード進行が美しく、入りの2536のリハモだけですでに頭を抱えたくなりますが、1A前はフリジアンコード、2A前はそのサブドミナントマイナー要素を引き継いだ♭VII7。1C前は♭VI-♭VIIの装飾、2C前はM7とm7を交互に繰り返す半音下降からの♭VI-♭VII。サビの要素はここまで変わらないと思っていたら、Dメロに用意される3連符。素直なギターソロと綺麗な感じのDropC来たなになっていたら♯9thをなぞる「だから聞いてほしいです」、やっと言えるんだの「だ」でフリジアンコードにして切なさマシマシにしてくるじゃないですか(大歓喜)

歌詞とかMVにも触れていたら結構長めになってしまったので、音的な話はこの辺にしておこうと思います。

 

6.Letter - 富田美憂

作詞:富田美憂 作曲:金子麻友美 編曲:佐藤清喜

収録アルバム:Prologue (2021年6月30日)

上半期ラストに発売という時期もあり、楽曲派諸氏からの注目も集まり評価もそこそこ高かかったアルバムのラストの曲です。

自作詞でこういう曲調となると重くなりがち・意味詰め込みがちの傾向にあるのがこのシーンの常のような気がしますが、そこをうまいこと回避しつつ作詞者の言いたいことを出せている感があってポイント高いです。

アルバムに新規に収録されている楽曲たちはそれぞれのカラーに合わせたキャラ付けされたボーカルとでも言いましょうか、それはそれできちんとした正解なんですが、この楽曲では等身大の歌が聴けるんですね、それがとても好きです。

 

7.ピンキーフック - 麻倉もも

作詞・作曲:渡辺翔 編曲:倉内達矢

収録シングル:ピンキーフック (2021年8月18日)

界隈ではどのMOMOがいいかで話が盛り上がっているそうですがまず曲が良すぎることで騒げ(o・∇・o)

麻倉ももさんの曲はバンド寄りなものが今まで好きだったんですが(麻倉ももさんじゃなくてもそうだろ)、音が軽めでどちらかというと電子よりな感じのサウンドでテンポ良く進んでいくのがたまりません。ライブはバンドでやってほしいけどね(o・∇・o)

サブドミナントマイナーの♭VII7ってのは調性から外れた音が2つも混じってるので非常に変な音に聞こえるわけですがそれにより期待感が持てるわけですよね、イントロからそれをブチ込んでくれるので信頼です。あとフレーズ終わりにドミナントセブンスなんて使いますか?もうこの時点でだいぶ狂ってますよ(褒め言葉)

サビ前のテーンは下がB♭で上がGだと思うんですがなんとも言えない不安定感がクセになります。

2番はBridgeがなくていきなりサビに飛ぶんですね。楽曲の2番を構成する上でABを逆にする、AとBの間に別のフレーズを挿入する、Cを消すとかは今まで見てきましたがBを消す例っていうのは他にもあるんだと思いますが見たのは2回目です。

DropCの手前ではテーンの音にEm7(♭5)/Aが採用されています。フリジアンコードです。

歌い方というかボーカルの方向性というか、同じく渡辺翔さん提供の「Agapanthus」のようなあからさまな囁きこそないものの、かなりその成分が入っているパートだったり、麻倉さんのレンジからしてここは地声でいけるだろうな、というところでもファルセットにしていたりと、全体的にこだわりポイントが多そうで何度聞いても飽きません。ご本人のインタビューにも書かれていましたがいわゆる「スルメ曲」ってやつですね。おいしいです(???)

 

8.I my me mind - DIALOGUE+

作詞:大胡田なつき 作曲:広川恵一 (MONACA), 田淵智也 編曲:広川恵一 (MONACA)

収録アルバム:DIALOGUE+1 (2021年9月1日) 

DIALOGUE+1のリード曲「透明できれい」、対になるM1「Sincere Grace」、各種センターボーカル曲にインパクト絶大の新規収録曲いろいろあってめちゃくちゃ悩んだんですが、個人的に最も変だなと思った曲を選びました。

DIALOGUE+の広川さんの曲でテンポが変わるシリーズは他にも「ぼくらは素敵だ」、「シュガーロケット」があり、いずれもセクションごとにBPMが1,2ほど上下します。おまけにこの曲はシンコペーション多めだったりジョイントが半拍だけ長い箇所があったりとテンポをとるのが非常に苦労する採譜者泣かせの1曲になっています(?)

コードは複雑かといえば決してそうではないんですが、不自然にならない範囲で音数を減らされていて、かつ遊んでいる音もあり、音を詰め込みダンスも動き多めで「全部入り」なことが多いDIALOGUE+楽曲の中でひときわキャラの立つ1本という感想です。

DIALOGUE+1には全曲試聴動画というものが存在しないのでMVのないこの曲は配信で聴いてくれという他ありません。

 

9.Fight oh! MIRAI oh! - 星見プロダクション

作詞:Q-MHz 作曲:Q-MHz 編曲:Q-MHz, 伊藤翼

収録アルバム:IDOLY PRIDE Collection Album [奇跡] (2021年10月27日) 

今年もQ-MHzは業界の裏方で大暴れ。イントロからすでに「あっ」って感じで勢いに呑み込まれてしまいました。 キャラソンのくくりですがまあいいでしょう。

有識者の方によると1AやBメロは田代さんの感じがするということであの人は息を潜めているんですが、1Cからもう抑えきれなくなって暴れていますね。怒涛の1Cからセリフ調の2A、2Cへの入り方が1Bとは異なる2B、2Cからシームレスに繋がるDメロ、3回まわしの3C...

伊藤さんはおそらくブラスアレンジで噛んでいるのだと思いますけどこれもまた大変熱量があって楽曲の勢いを彩るいいラインを行っていますよね。いやあ素晴らしい。

歌詞はもう畑さんとTBCが全力で殴りかかっててどっちが書いてるのか分かんないような変な言葉も多くてとても楽しいですね。2Aは田淵さんだと思うんですけど。「心が大騒いでるよ」とかどっちなんですかね。

田淵さんまわりの疾走感あふれる楽曲でよくあるのは、1回目と2回目でドラムパターンが違うというのがあって、1回目はアンティシペーションのあるコードチェンジに合わせたパターン、2回目はガン無視でダンスビート。(ギミー!レボリューションや23時の春雷少女なんかが分かりやすいと思います)

この楽曲のAメロなんかがそうですし、サビはアンティシペーションはないですが、1回目は四つ打ち、2回目はダンスビートと変わっています。

この辺は編曲でいかようにもなってしまうので必ずしも田淵さんが噛んでいるということはないでしょうが、その確率はかなり高いと思います。

 

10.Starcast - 石原夏織

作詞:やなぎなぎ 作曲・編曲:栁舘周平

石原夏織さん、喋ってると何言ってるのかよくわからないときの方が多いんですが(disってるわけではないです)歌声がとても素敵なんですよね。

そしてこの栁舘周平さんの映画みたいな曲構成が本当にいいんです。某王冠レコードのトリニティの水色の方の「Well Wishing Word」のようなオーケストラ感ありつつとてもテンポ良く進み、物量の多さがありながら飽き飽きとさせないまとまった物語といった感じです。

曲中で転調する箇所があるんですが、そのさせ方が非常にうまく「お、転調したな」という気づきを強く与えずスムーズにキーが移行するところもポイント高いです。

2Cの終わりで唐突に「OK」という歌詞が出てきていきなりポップになるんですが、ここで「いいよ」のような言葉ではなく「OK」が採用された理由を知っている方がいらっしゃったら教えてほしいです。

 

番外編-1 たゆたえ、七色 - ARCANA PROJECT

作詞:田淵智也 作曲:草野華余子 編曲:堀江晶太

収録シングル:たゆたえ、七色 (2021年7月14日)

メンバーを確認してみたんですがどなたも声優の方ではなかったのでランクの中には入れませんでしたが、アニソンシーンでこんなにいい曲なのにノミネートできないのはもったいないぞということでご紹介。

もうクレジットを見ただけで満腹になりそうですが、それだけではない素晴らしさをちゃんと備えています。

草野華余子さんは紅蓮華だけが持ち上げられるシーンも多くモヤることも多いんですが、シンガーソングライターとしても活躍されていて(このブログ読む人は知ってるか)、2020年以降の曲を2つほど貼っておくので是非見ていただきたい。メロディに滲み出る「節」は田淵さんや堀江さんのキャラの濃さにも勝るとも劣らない、非常に主張の強いものとなっていてクレジットを見ずとも草野さんが書いたことが分かる、そんな動きです。

最近は更新されていないようですがYouTubeでやっていらっしゃった「かよつべ」にて、フォークは通っていないはずなのになぜか出てくるのはフォークっぽいライン、とおっしゃっており、この曲にも「アニソン感」は維持しつつもしっとりとしたフレーズがたくさんあってさすがだな~となりますね。

堀江さんに関しては某速報の方が正確かつ熱量のある文章を書いていらっしゃいそうなので、そちらに任せます(?)

 

番外編-2 特者生存ワンダラダー!! - 天音かなた

作詞・作曲:田淵智也 編曲:y0c1e

声優でもなければキャラソンでもなければアイドルでもない。VTuberですけどいい曲はいいんです(大声)

とりあえずアニソンシーン(広義すぎてもはやなんなのかわからない)の田淵智也を聞きたいとなったときに聞けば元気の出る曲。BPM216、跳ね回るベース、唸るギター、このテンポでいて生の凄腕ドラム(裕木レオンさんすごい)(裕木レオンさんは大冒険をよろしくのドラムも叩いていらっしゃいます)と、生音で浴びたい要素満載に加えて一聴して何を言っているのかよくわからない歌詞、約束された2Aセリフパートと、曲の構成が全て田淵智也で最高でした(語彙力が残っていない)

 

今年もいい曲たちに出会えましたね。田淵智也さんかあるいはDIALOGUE+さんの記事みたいになってしまった感がありますし、それで記事書けよって言われそう(実際自分でもそう思っている)ですが2021年はこういうマインドだったよということで書き残しておきます。数年後に見たら何これ恥かしって思うでしょうがそれもまたそれでということで。

それではみなさま良いお年を。

【雑記】DIALOGUE+にハマったきっかけ

TLでDIALOGUE+にハマったきっかけとかいうのが流行ってたので書いてみようと思います。

 

DIALOGUE+の存在を初めて知ったのは2019年の秋ごろ、ちょうどCDデビュー間近のときです。それまでは某KACのアーティストだったりソニーの社内レーベルのアーティストユニットだったりの現場に足を運んでいました。当時は作家さんやプレイヤーさんに今ほどの興味はない一方で、楽曲の分析だったり仲間を集めての演奏だったりは昔から継続していて、今に続いています。

 

2019年の6月に結成発表とのことでしたが、わたくしはゲームやアニメにはそれほど関心がなく、またその時期は奇しくも当時最も真剣に推していたアーティストのツアーの時期ということもあり、そのような情報はまったく入ってこず、話題にする人もおらず、という感じで初夏に爆誕した革命の息吹に全く気づくことはありませんでした。

オタクというのはカスな生き物なので、某ピアノ演奏配信者を見るという行為は通りがちだと思います。その彼が田中秀和さんを話題にしている動画にちょうど19年の夏頃にたどり着き、初めて作家さんに注目して曲を聞くということを知りました。田中秀和さんはみなさんご存知の通りコードを暴れさせることはもちろんですが、その上で展開されるメロディが全く崩壊せずとてもキャッチーで、浴びるだけで大きな満足感と感動を得られる曲を作っていらっしゃる偉大な方です。その魅力にまんまとハマってしまい、田中秀和さんの曲を履修する日々が始まりました。Wake Up, Girls!アイカツ灼熱の卓球娘、デレマス...、確実にアニソンシーンの音楽なんですが、それまでに聞いてきたものとは違う味を持った曲たちでした。

そうなった状態で、あるときTLのオタクが「はじめてのかくめい!という曲がやばい」と言っているのを目にします。普段はこういうダイマ(?)を受けて飛び込むということはあまりしないんですが、運命に導かれたのかYouTubeで「はじめてのかくめい!」と検索します。字面からはメイドカフェ感あるきゅるんきゅるんなアニメソングなのかなあという印象を受けました。意を決して再生します。人によると思いますが、わたくしは初めて曲を聞くときは調の確定とコード解析を真っ先に行うタイプです。

「れぼるじゃーん れぼるじゃーん れぼるじゃーん れぼるじゃーん」、Gですね。Gmajの曲は好きですよ。

「そんじゃ手始め(Am7)に 革命(G/B)しま(Cmaj7)しょ、ご準(E♭aug/F)備(G)」

????????????????????

「He(C♯m7-5)llo(F♯7(♭13)), nice to(E♭aug/F) meet you(E7(♭13)), yeah!(Am7〜」

??????!??????!?????????!!!!?!?!????????!!!!!!!!!!!!!!!!????!!???!!!??!!!???!?!?!???!???!??!? 

はい、完敗です。当時の能力では到底理解できるコード進行ではありませんでした。クレジットを確認します。

作詞・作曲:田淵智也 (UNISON SQUARE GARDEN)

編曲:田中秀和 (MONACA)

はいはいはいはい。完全に理解しました(わかってない)。

その時は田淵智也さんのことも存じ上げていなかったので、田淵さんについても掘り下げる日々が始まります。ロックバンドのUNISON SQUARE GARDEN、THE KEBABSをはじめ、楽曲提供先のLiSA、内田真礼、Tokyo 7th Sisters、Q-MHzでの活動...。本当にキリがないですが、紡ぎ出すメロディの圧倒的なパワーと、それにマッチした詞の気持ちよさは本当にクセになるものです。

そんなこんなでデビュー曲にまんまとやられて、この激ヤバ楽曲を歌うユニットに注目せざるを得ない、そして必ずやこの曲を現場で浴びてやるぞ、と思うようになりました。

この時点ではまだ沼とはいえど膝までが浸かった状態で、時系列的にはその後の某KACアーティストのFCイベントやソニーの社内レーベルのアーティストユニットのイベント、ライブに行く、という気持ちも同等に強かったのを覚えています。

また、映像というか視覚情報に対してとても気が散りやすい性質なのもあり(なんかの病気だと思いますが)、DIALOGUE+BOXをこの時点で見返すことはありませんでした。

さて年は明けて2020年(2019年の説明がなげえよ)、どうやらソニーの青い人のライブとDIALOGUE+のアニソンカバーライブの日程が被っているようです。わたくしは青い人の方を選択しました。このレーベルがこの面々に対して生バンドでライブをやることもうないだろうと思ったのと、単純に18年はピンク、19年は黄色、というように行ってきたのもあり、今年は青じゃろ!という気持ちもあったからです。青い人のライブはそれはそれで楽しかったし、世界が変容する前の大騒ぎできる最後のイベントでもありました。

3月のDIALOGUE+BOXでアルバムの楽曲(音源)が解禁になる、ということだったので、初めてDIALOGUE+BOXを見ました。キャストの方々が喋っているのを見たのもこれが初めてでした。どうやらアルバムは全曲作曲田淵智也さん。おかしいですね。このときから、「あ、このグループ一過性のものじゃなくて"マジ"なんだな」と思うようになりました。5月にはDIALOGUE+JAM Vol.2、6月にはワンマンライブと、当時最も真剣なアーティストのツアー1公演と被っていたものの、DIALOGUE+の現場に足を運びたいという気持ちの方が強くなっていました。

例の病が蔓延して以降、行こうと思っていたライブは20公演以上が消え去りました。これは調子が狂うし大メンブレです。追っかけていたアーティストのライブは全てが無期限延期もしくは中止。チケ代やら交通費やらが浮きまくったのでMacBook Proが買えてしまったのが懐かしいですね。供給が全て絶たれて絶望しているなか、なんとDIALOGUE+は地上波で1時間のラジオを開始、新曲「あたりまえだから」をリリース、DIALOGUE+BOXの継続、そしてライブをそのまま中止するのではなく無観客配信に切り替え。これは大変ありがたいものでした。

ライブに付随して裏方の打ち上げ・Zoom配信なるものも始まりました。これは業界内ではまず見られなかった新鮮な試みで、ライナーノーツであったり、今後の展望、そもそもイベントや活動をどういう意思で行なっているのか、という重要な部分を聞くことができるとても有意義なものだと感じています。イベントの趣旨に関しては「正しい楽しみ方」(楽しみ方に正しいも間違っているもありませんが、例えば楽しみ方が分からないという場合において最適解になりうるものを指してこういう言い方をとっています)を知ることができればそのイベントのもっとも美味しい部分を確実に吸えるわけですから、これ以上幸せなことはありません。

Zoomで田淵さんが、「曲がいいとか誰がかわいいとかではなく、とにかく歌も踊りも全てがんばって成長しているところを見てほしい」とおっしゃっていました。わたくしは完全に曲から入ったタイプで曲に対する思い入れが異常に強く、最初はその真意が理解しきれない部分もありました。だって曲だけ聴いていれば幸せになれるじゃん、と。でもそうではなかったんですね。頑張っているところも合わせて追っていくことで、もっと幸せになれるよ、と、そういう意味だったのかなと今では思います。

実際にリアルイベントが開催できるようになって、DIALOGUE+JAM Vol.2では各々のパフォーマンスがぼくたちのかくめい!オンラインより明らかに向上しているのを見てめちゃくちゃ感動しました。

DIALOGUE+はある種高校の部活のようなものだと思っている節があります。それはクオリティや青臭さが、ということではなく、チームで力を合わせてものすごい熱量で目標を達成していく。当然ながら苦労はあるが、最後は笑顔でそれを乗り越えていく。小さな目標を積み重ねた先に大きな目標がきっとあり、それはとても輝かしいものでしょう。

以前追いかけていたアーティストとDIALOGUE+の違いはこの圧倒的な熱量を隠すことなく全面に押し出しているところだと個人的に思っています。もちろんみなさん普段から弛まぬ努力を重ねていらっしゃることは間違いないでしょうが、こんなにも「わたしたち頑張ってます!」と言っているのを目撃したのは初めてです。そしてちゃんと成長している。そら応援したくなりますわ。

 

という気持ち至るまでが、DIALOGUE+にハマって、真剣に追いかけていこうと思った理由です。

だれそれがかわいいとか歌がめちゃくちゃ上手いとかダンスが光っているとか、刹那的に思う瞬間は何度もありますが、こういう語りにおいてはあまり関係ないのが変な話ですね。

キモい話をしても長くなるだけなので、この辺りにしておこうと思います。

【ライブ感想】DIALOGUE+ ぼくたちのかくめい![再] 〜楽曲編〜

DIALOGUE+ 1st LIVE「ぼくたちのかくめい![再]」について、音楽的観点に立った感想をダラダラと書いていく回です。本当に変なことしか書かないので、変なことに興味のない方はブラウザバックするか本編を読むかしていただければと思います。

raingadgetmusic.hatenablog.com

 

それから、5月、6月、7月と、バンド定期公演「フラフラ」が開催されます。harevutaiは座席キャパ150名ですが、配信メインということで、5月の配信チケットを購入すれば総合プロデューサの野島さん、音楽プロデューサーの田淵さんの出演するZoom飲み会に参加できる権利が送られてくるそうなので、物好きは購入することをお勧めします。

(開始はメンバーの出演する番組の都合上21:30にずらされています)

 

上記の記事でもダンスとかについて一切触れてないのは、そもそも目が悪かったり身長が低かったりということでステージの方をちゃんと見ても何してるのかよくわからないというのがあって、なら音楽に身を委ねて思いっきり狂ってやろうという算段でございます。ダンス派・表情派の人は許してください。

 

まずバンドメンバーが最高ですよね。これに尽きます。

いろんなプレイヤーの方々がおっしゃっているようにDIALOGUE+の曲はどうやら本当に難しいらしいです。とてもデカくパワフルなサウンドバチバチにキメテくださったプロの方々には本当に感謝しかありません。

 

M1.かいかいせんげん!

この曲はAABA形式で一般的なJ-POPのABサビ形式とはまた違うセクションの分け方になるんですが(聞けばわかると思います)、Aの部分はF♯7とB7を繰り返す構成で、一般的なメジャースケールとは違うスケールで作られています。こういうのいいですよね、すぐには分からないけれど、しばらく聞いていると理解できるようになるタイプです。答えとしては、主音はF♯にあります。

Bセクションは一転してメジャースケールに転じて(モードが変わって)、IIm7-V7-I-VIIm7-5-III7-VIm7-IIm7-V7-I-VIm7-♭VI-♭VIIというとても分かりやすい進行をします。

 

M2.はじめてのかくめい!

この曲はもう全てのセクションがあまりにも天才すぎて聞いている間はずっと発狂していました。

raingadgetmusic.hatenablog.com

最初のれぼるじゃーんから全てが始まっているんですよね。こんなのが手始めでたまるか。

234ときたら普通は5なんですよ。なんですか♭7って。何度聞いても感情がぐちゃぐちゃになったあとに♯4-7-♭7-6でさらに殴られたあとに、超明るいブラスのドッドードシラファ♯ーファ♯ソッラー、レッレーレドシソ♯ーソ♯ラッシーが入るのでこの時点で最高になれます。

このブラスパート部分の進行は2536なんですが、イマジュンさんが5の部分でD7(♭9)を弾いていて、CD音源だとピアノが埋れているなか、ライブだとこの♭9がはっきり聞こえてくるんですよ。この部分で高まっているのはおそらく全観客漁ってもわたくしくらいだと思います。

1Aに入るともう終わりまで休む暇なんてありません(イントロからありませんが)。♯4から下る進行に酔いしれていたら1B、「手を引いてあげましょう!」のキメからもサビ前で駆け上がるFmajスケールでゲージを溜めてからサビで一気に解放する、この瞬間がたまらなく気持ちいいです。

サビはE7までは基本四つ打ちで進んでいって、Am7-Cm6-Bm7-Em7に入ってからダダダダーダダダ ダダダダーダダダのリズムになり、ここはドラムもコードチェンジに合わせて動いているんですが、C♯m7-5-Cm6-Bm7-B♭dim7の部分ではコードチェンジのタイミングをガン無視してダカダカやってるのが本当に好きでヘドバンポイントです。

2Aも2Aで最高で、コード進行が変わったり、2A'は突然エイトビートになって強制的に多動させられてしまってたまりません。

この曲の最大のエモポイントはなんと言っても3C'です。それまでG→D/F♯→Dm/F→E7と進んでいた部分でEm7→D/F♯→G→E7/G♯になって、最後の最後にとんでもないブチ上がりを味わわせてくれます。この後のAm7-Am7/D-G-G♯dim7もCD音源ではピアノ埋れがちなんですが、イマジュンさんはこのG♯dim7をとても強調して弾いてくださるんですよね。最高です。オンラインのBlu-rayの特典CDでも聞くことができますのでぜひ注目して聞いてみてください。ちなみにこれはJAM2でもやられていました。

 

M3.トークトークトーク

はじめてのかくめい!もかなり体力を使うんですがこの後にも結構なバケモンが待ち構えているので動きまくってバテるのはそこそこに次の曲です。まさに「ぼーっとしてる時間はない」ってやつです。

この曲はサウンドが全体的に軽やかで小気味いい感じで進んでいくのがお気に入りですね。ドラムに合わせて変な動きをすると気持ちよくなれるのでオススメです。サビに入るところでダッダッダンダカダッパーンをやるのは本当に脳汁が出ます(???)

この曲のDropCだけはDIALOGUE+の音源化されている曲の中で唯一コード進行が合っているのかどうか不安な部分です。多分A-G♯7(♭9)-Eadd9/G♯-G7(♭9)-F♯m7(9)-B7-E-C♯7...だと思うんですが、いろいろ鳴っているのでよく分かりません。動きとしてはそこまで不思議ではないんですけどね。

 

M4.SCENE-B2:上々だ

新井さんのギターで始まる曲です。キーはDminorです。キーがDminorといえばインビテーションが浮かびますが、あちらはサビ以外Cminorです。まあそれはおいておいて、something newが今回もバチコリ決まっててかっこよかったですね。

Bメロはアンティシペーション多めでキモイ動きも多めになってしまいます。「だよねほら決まり」の前のドッシ♭シドッシ♭シドでゲージを溜めてサビで一気に解放するアレができるのでこの曲は大好きです(???)

2Aのセリフパートでハーフビートになってちょっと休める(休んではいない)と思えばダンスビートに移行して「やっぱやっぱ」のところでドラムのドドパーンドドパーンに合わせて跳ねるのがとても楽しかったです。

2Bはというとやはり「刺激に素直にならなきゃ」の後のレ!ミ!ファ!の符点8分-符点8分-8分ですよね。ここで存分に溜めて楽器隊が一度止まった後にまた始まるあのカタルシスをこの曲では感じることができます。

 

M5.パジャマdeパーティ

3連符多めの曲です。イントロのシーラシッドーシドッレードレッファッミッでひろゆきさんの振りコピをするのがたまらなく気持ちいいのでおすすめです。キメの多い曲はこれがたくさんできるので最高です。

TBCはときどき曲の途中で拍子やテンポを変えてきたりして、この曲のサビやアウトロがまさにそうです。C♯m-Caug-E/Bの区画が3拍子でF♯7以降4拍子に戻るんですが、3拍子のところで遊んだ後に、ピアノでポロンポロンポロンと登ってグリッサンドで一気に下るアレがとても美味しいです。

Dメロのトゥットゥルルトゥルルトゥットゥ トゥットゥルル パジャパパパーみたいなところ(記憶が頼りなので歌詞間違ってたらごめんなさい)でピアノは符点8分-符点8分-8分動いてるリズムのズレ(ズレているわけではない)がまたたまりません。それぞれのパートが勝手にやっているっていうのは揃っているのとは全く違う楽しさがあるというものです。

 

M6.Domestic Force!!

昼も夜もありえんかっこよくてタコ踊りです。イントロのダダダダンッ!から勝負は既に始まっております(何の?)

ドロップの前のソロ歌唱、安定感、圧の強さともにパワーアップしていて頭を抱えてしまいました。

ドロップはドロップでもうゾンビのような動きをしてしまいました。そんな動きをしている中でも見えた照明のチカチカする演出と2A前のシュコンッ!(伝われ)は本当によかったですね。

この曲は決して音数が多くないんですが、なぜだかDIALOGUE+の楽曲で一番圧を感じます。

 

M7.SCENE-C2:また立ち上がる

オンラインでは客席にいたこの曲ですが本公演でどうなるんだろうって思ってたらステージの奥から台に乗って登場したのがちょっと面白かったですね。

この曲はセクション名を羅列するならABABCです。Cの部分だけD♭majで他はB♭minorという使う音の集合は全く同じでも中心が違う音遣いになっています。

ラップパートは楽しいですね、韻を踏む箇所とか「快感をGETだ ヤッ!」のところで腕をバーン!!ってやっていたら翌日の肩に響いてしまいましたが反省はしていません。

 

M8.好きだよ、好き。

幕間映像の「見つけ出せ 好きの気持ちを」からのまた立ち上がる→好きだよ、好き。の繋ぎはガチで天才です。このセットリストを考えたのはどこの誰ですかね。

サビをアカペラで歌ってからイントロに入る演出はここでも継続。AまでとはいかないですがA♭より少し高いところが基準になってしまいますがそこもまたアカペラの醍醐味でもあります。

流石にこの曲で変な動きはやらないのでそこそこの確率でステージの方を向いていましたが、4人ずつに分かれて歌ったり、東京は〜のところで2人だけ立っていたりと、振り付けというよりはフォーメーションを見られた曲でした。

ギターソロは原曲をぴったりとなぞっていましたね。

 

Band session

いろんな人から怒られるかもしれませんがこのライブでいちばん声が出そうになった瞬間です。Key.→Dr.→Gt.→Ba.と順番が回されていくんですが、みなさんとても聞き応えのあるソロからの符点8分-符点8分-8分で始まるsession、四つ打ちで攻めてところどころに3連符だったりギター以外が止まって溜めてからのフィル、次のセクションという動きに酔って気持ちよくなっていたら次の大ボケ2曲で消える予定だった体力の大半がここで消し飛んでしまってどうしようって感じでした。

フラフラもバンドらしいですがそれにsessionのパートはあるんでしょうか、とても楽しみです(???)

 

M9.ダイアローグ+インビテーション!

大ボケ曲1弾目です。いくぞ!!!とそれに被ってるドーシ♭ドミ♭ドッファーソファミ♭ドー(パーン!!)でキチゲMAXになってしまいました。声優現場で光る棒は振らないしロックバンドの現場でも右腕をあげることも疲れるので特になにもしていないですが、どうもこの曲でメンバーを呼ぶときくらいはやりたくなりますね。動いては右腕を上げ動いては右腕を上げ、と何か新種の生き物にでもなってしまったかのようです。

Bメロはお決まりのダダッ!ダダッ!ダダッダーン!!に合わせてひろゆきさんの振りコピです。ドラムは全く叩けませんがこれをやるととても気持ちよくなれるのでおすすめです(n回目)

サビは首がイマジュンになってしまうし「ぼくについてきて」のクラッシュ強打で跳ぶしで休む暇がありませんでした。サビのお気に入りポイントはGm-G♭aug-B♭/F-C7/Eですね。下降クリシェ

2番に入って少し落ち着いたかと思えば「そこのあなた!」のところで出てくるG7(9)でまた強制的に多動モードに戻されてしまうのでたまりません。

間奏の2人ずつアピールする箇所ではタコ踊りしていたので見ることは叶いませんでしたが、We are DIALOGUE+はちゃんとやったので許してください。

 

M10.大冒険をよろしく

この過激繋ぎは何度聞いても脳汁が出るし泣きそうになります。インビテーションの最後のコードのCmからダカダカ回してCに移ってから冒頭のFに解決する流れがまず美しい以外の何物でもありません。

F-A♭-F-A♭のあとの「ハイ!ハイ!オォ〜〜ハイ!」でスイッチを入れたら最後終わりまで爆走劇のはじまりはじまりです。

流石にBPM208で縦ノリをするのは非常に体力を消耗します。いややるんですけど。

AメロはB♭-F/A-Gm-B♭-F/A-Gm-B♭-B♭-B-C-B♭-B-C、Em7-5-A7-Dm7、E♭-E-F-E♭-E-Fのリズムで変な動きをするのがいいでしょう(何が)

BメロはDm7-Gm7-C7-FからF♯dim7(D7/F♯かもしれん)に続き、234から♭7を経由して5に行く盛り上げ方がたまりません。

最強といたします!のダーダダダダダダダンッ!!→「ジェッ飛ばし」で思いっきりゲージを溜めてからの「ちゃう」で左右のクラッシュ強打、これがやりたかった。

「この世界が実に可能性ばっかだ!」の「ばっか」のフィルからの跳び、世界一気持ちいいもの。

「ひといきひといき」で一息つこうと思ってもここはBPM195なのでたいしてゆっくりではないしなんならかなり速い方なので呼吸はゼーハーしたままです。しかし気を抜いたらおいていかれてしまうので負けじと多動を再開します。

2サビ前の「検討の余地もなし!」のあとはCD音源だとベベベとスラップが入りますが、黒須さんはスラップではなくかなり高いところからスライドで入るスタイルのようです。これはこれでエンジンふかしてる感があってめちゃくちゃ好きですね。

間奏も間奏でFoo〜で遊んだり、F-A♭-B♭-A♭-B-B♭-A♭-Fからのパパーン!!で腕振り回したりと楽しい箇所まみれです。

大団円大トゥルーエンドアウトロもまたこの曲の魅力です。1回し目は肩を組みながら(今の情勢では組めませんが)左右に動くアレ、2回し目は残りの体力を全て使い切る勢いで思いっきりヘドバンするという違う楽しみ方ができるので非常に良いです。

 

あ、この曲はCD音源のレコーディングに参加されたドラマーの裕木レオンさんがセルフカバーしている動画があるのでそちらもぜひ

www.youtube.com

 

M11.ぼくらは素敵だ

上記3曲で燃え尽きた後にこれですよ、感情の変位がデカすぎて泣きます。桜の演出が今回もあってエモ散らかしてましたね。

この曲はいきなりAメロから始まります。始まりはイントロじゃないのかよって思うかもしれませんがAメロから始まる曲、最近のTBCワークスでいうと夏川椎菜さんの「クラクトリトルプライド」がそうですね。向こうは頭4小節がありますが。

Aメロ始まりというのはAメロがサビ波のパンチ力をもっていないと配置しづらいのでなかなかすごいことです。

どこかでぼくらは素敵だのデモが流れたときにAメロのF7augの箇所が普通にCmだった記憶があるんですが、つまりサブドミナントマイナーなので装飾しちゃった♪ってことなんでしょう。

それはともかくとしてこの曲途中でテンポが微妙に上下するんですよね。大冒険のように2Aでいきなり13落ちるとかそういうのではなく、サビに向かって感情が盛り上がるのと呼応するかのようにテンポが少しずつ早まっていくんですね。演奏する側も歌う側も大変でしょうが、こういう変な(変ではない)ところに編曲者の広川さんの熱を感じてとても好きになれます。

 

M12.あたりまえだから

素敵だ→あたりまえだからはマジモンのログっ子泣かせチャレンジなのでやめてほしいですね(建前)

いや、大好きだよってちゃんと伝わってるんですよね...会えなくなるのは寂しいからこそこうやって会えたときの幸福度が爆上がりするわけでございます。

BPM速めカロリー多めな曲で攻めてきて、ここにきていきなりしっとりと、飾らぬ言葉で歌唱されると本当にコンタクトレンズが目から剥がれ落ちそうになるので困ります。

3Bのイマジュンさんのピアノが本当に綺麗なんですよね。さっきまであんなに暴れてたのに(?)

 

M13.おもいでしりとり

発狂。G♭のピアノが聞こえてきた瞬間に頭抱えましたしオタクのうめき声が聞こえました。

チケットのデザインがおもいでしりとりのアー写なのにセトリにないのが拷問って言っていたらまさかのはじめてのかくめい!Revとのチェンジ。いや〜〜〜〜〜ありがとうございます。

入りの「星に願いをできるだけ愛を おもいでしりとり」で浸っていたら大好きなコード進行トップ争いの2536のリハモが襲ってきます。この曲がいくら多動曲ではないとはいえこのコード進行を浴びるとなるとキモくならざるをえません。この曲は♭9がものすごくいい味を出しているのでそれも頭抱え案件です。D♭7(♭9)、A♭m7-5/D♭(D♭7sus♭9)がそうですね、前者は「まるで天秤のように」の「で〜てん」、後者は1A前のピアノのド♭ーシ♭ラ♭ソ♭ーミ♭♭ーの部分です。えらくエモいドミナントだなあってときは大体これです(?)

AメロのE♭m-D♭-C♭-G♭/B♭の部分でドドパーン!ドドパーン!ドドパーン!ドドパーン!をやったり、C♭m-G♭でストリングスのミ♭♭ーレ♭ド♭シ♭ソ♭ーに合わせて動くのは最高でした。

1Bと2Bでセクション終わりの動きが違うのもよくて、1BはE♭♭aug-F♭でダーダダダダダダダダッ!!、2Bは魂に合わせたダーダダーダダーダダーダダダッ ダーンダンダンダンダダッ!!パーン!!なんですよ(???)。知らない...と好きですの後のCm7-5はクラッシュ強打ポイントです(?????)

間奏のダダッダダッダダッ!!だったり「後悔はしたくないってことだけは」の3連符だったりどこまでも癖を突いてくるやばい曲です、これは。この曲を放っておいてはいけません。

DropCの「だから聞いてほしいです」はレ♭レ♭レ♭レ♭ーレ♭レ♭ド♭シ♭シ♭ーなんですが、コードとしてはB♭m7-B♭7/D-E♭m7と進んでいっていて、メロディがコードの3rdから♯9に相対的に移るんですね。これがたまらなくエモいです。♯9の良さを教えてくれたこの楽曲には感謝しかありません。

 

M14.あやふわアスタリスク(昼)/人生イージー?(夜)

アンコール枠です。きちんと本編で完成させるからこそ意味のあるアンコールなので、1曲でいいし、メリハリがつくというものです。そういう意味でも今回のセットリストは本当に美しいものでした。一体誰が考えたんでしょうね。

昼にあやふわアスタリスクをやった時点で半ば夜の人生イージー?が決定したようなものでしたが、まあそれはいいでしょう。

昼夜ともにその曲を暗示させるコードでジャカジャカやっていたのが確定演出感あってよかったですね。MCでの確定演出もいいですがやはり音で勝負してくるスタイルには好感しかありません。

あやふわアスタリスクは前回の記事でもサラっと触れましたがやはり途中から楽器隊が本性を出して暴れ始めるのが大好きなんですよね。「現在地は〜」の後ろ2拍のドラムのダダッダッダッダッ!!だったり、2Bの「星空ベンチ腰掛けたら〜」のクラッシュ連発、「そんな気がした〜〜〜〜〜〜んだ」の「だ」でF5を当ててクラッシュ強打とか気持ち良すぎました。

DメロもDメロですごくよくて、シュガーソングとビターステップのDメロでずっと両手を上げているTBCみたいな格好になっていました。(ライブ動画を見ればわかると思います)

3Cの魅力はなんといっても魂のラップですね。あのセクションは全部入りになってて楽器隊はドカドカやってるわコーラスはわーわー歌われてるわの中でバーン!と決めてくるわけですから格好よさが段違いですね。ありがとうございます。

 

人生イージー?はMCからの繋ぎがまずよかったですね。

このMCは台本なしだそうですが、台本なしでこの書きソロ的なMCができるのは才能を感じます。書きソロ、アドリブソロどちらがいいかは一概に言えないかもしれませんが、完全自由のアドリブソロで変なこと言われても困るし何よりライブの流れが崩れるし...ということが大半なので。

本題の人生イージー?ですがやっぱり入りのB♭をやりはじめた時点で全人類ニヤケが止まらなかったと思います。シ♭ッシ♭ーレッレーミ♭ーミ♭ミッファーの小気味良いリズムにすでにテンションはMAX、Cm7-F♯aug-G7(♭13)のシンセパンチにもうクラクラです。この日最後の曲だった上に「君の時代だ」と言われてしまったので全てを解放して思いっきりノることができました。

リズムを見失わないためにはやはりドラムの振りコピは有用です。「数値が決まってるんだきっと」や「たまにじゃないくらいにすれ違うんだ」の部分は複雑なので腕をダカダカやっているとリズムに食いつきながら楽曲にノれるのでおすすめです。

サビ前のF-F-Gからのパーン!!で跳ぶのは最高。上で書き忘れましたがFaug-Eaug-E♭aug-D♭aug-D♭aug/A♭のところでも変な動きはしましたよ。

この曲のコード進行が気持ち悪い(褒め言葉)なところは何箇所かありますが、わたくしのイチオシはDメロの「マニュアルだっていうのなら」のの後ろで鳴っているDm7-G-D♭maj7-C-Caug/B♭-Em7-5/A-Aaug/E♭です。2516のリハモなんですがここまで装飾されるとベースが動くたびに体も動いてしまいます。

シンセソロが始まるとドラムもエイトビートを叩き出してボルテージも最高潮です。ひたすらキモい動きに徹することしかできませんでした。間奏といえばFm-Gm-A♭-B♭-B-E-A-D-G〜の部分のリズムを理解できているひとが少ないのか棒振りのタイミングがズレていたのがthinking faceになってしまいましたがまあいいでしょう。

この曲のアウトロはC-B-B♭-A-A♭-Gを3回やってF-Gaug-C、Cでかき回しが入るわけですからライブの締めに本当にぴったりですね。8本締めがはじめてのかくめい!から人生イージー?に移ったことでDIALOGUE+が新たなフェーズに入ったことをとても実感できるものでした。

 

以上が先日のライブのセットリストの1曲1曲についていつも感じている個人的な超気持ち悪い刹那的快楽と、それを実際にライブで浴びたときに現れる行動についてです。実際に文章にお起こしてみると大声は出していないし推しジャンはしていないしルールは破っていないけれどとても厄介な思考のやつだなってなって通報したくなりました。

普通の感想記事の文字数を遥かに超えて1万文字に達してしまってなんとも言われぬ気持ちになったので、この辺で筆を置きたいと思います。

【ライブ感想】DIALOGUE+ ぼくたちのかくめい![再]

2021年4月25日、また声優音楽界に革命が刻まれました。

2020年6月20日には、DIALOGUE+の1stライブ「ぼくたちのかくめい!」が山野ホールにて行われる予定でした。例の流行病により様々な現場が中止になる中、当時としては早い段階でオンラインライブに切り替えられ、はじめてのかくめい!とDREAMY-LOGUE、それらのストーリーをつなげる数曲を背負って、その時にできる全てを発揮して行われた公演でした。

今回のライブはその再演。昨年と違うのは、

客がいる

この間に曲が少なくとも10は増えている(未発売含む)

走れ君、TIF、JAM2、ぼく現と形は違えどライブパフォーマンスを披露する場を経験してきている

ことです。

まず客がいるとおこがましい話ですがアーティスト本人のテンションが上がる。これはパフォーマンスへの影響として良い方にも悪い方にも作用して、実際今回両方見られたんですが、「客入りのライブ感」が感じられてとても満足しています。

自分が客として入ったことでバンドのデケェ音を体で感じられたのがめちゃくちゃ嬉しかったですね。第1バルコニーではそこまでではなかったですけどアリーナともなるとキックの振動やベースがバリバリと体に伝わってきてとても良かったです。

曲が増えていることに関しては、セトリ面では再演ということもあって期待はしていなかったんですが、はじめてのかくめい!の2回目がおもいでしりとりに、アンコール枠で昼はあやふわアスタリスク、夜は人生イージー?が追加されていて無事床になることができました。

曲が増えたということはもちろん表現の引き出しの増加だったり歌い慣れることによる歌唱力の向上にもつながるので、それは今回全来場者が実感できていたことではないかなあと思います。声量が足りていなかったり、抑揚の激しい曲や歌割りの詰まった曲の勢いについていけなくなることがなくなったりというのが無くなったのは間違いなく場数を重ねてきたおかげでしょう。

場数を踏んできたのは歌唱面でもそうですが、パフォーマンス中に考えられるリソースが増えておもしろいアドリブができるようになってくるわけですね。いっそう「ライブ感」が増えるわけです、これ以上の盛り上がり要素はありません。

 

今回は立ちOK跳びOKということでもう自分にとっての制約事項なんて何もない同然だったので非常に伸び伸びと楽しむことができました。マスクは社会的マナーなので当然する、声出しは元々したくないので禁止されても無傷。おまけに隣が両部ともいなかったので(もちろん現場に来たかった客が来られなかったのはとても残念なことですが)、多少オーバーな動きをしても特に迷惑がかからないわけですからこれ以上の幸せはありません。

 

セットリストを見ていくと、初めて生で見られたかいかいせんげん!、上々だ、また立ち上がるは当時との違いもあって面白さがありましたね。また立ち上がるの「何度でも立ち上がるんだきっときっと 諦めるはずがないんだよちょっとやそっとのハードルじゃ」っていうのがまさにDIALOGUE+チームでこの辺なんか頭抱えながら暴れてましたね。あれ、これ書きながら泣けてきたな...

 

そしてバンドsessionですよ、めちゃめちゃにかっこよかったですね。立ってる客が少なかったのがとても不思議なんですが宗教の違いもありそうなので突っ込まないでおきましょう(?)。

入りのイマジュンさんのピアノの終わりの暴れが追加されていたり、そもそも昼と夜で入り方が違ったり、

ひろゆきさんのドラムは昼と夜で結構変えてましたね。アリーナで聞いていると円弧状のスピーカーの正面だったのもあるかもしれませんが、振動が体にビリビリ来るんですよ。最高ですね。

ギターの新井さんは同じことやりたくないってのをいつもおっしゃっていますが、それが今回もとても表れていてシビれました。ライブ前に新井さんのギター楽しみだなあとか言ってた変なやつを見かけていたらそれは多分わたくしです(???)

黒須さんは相変わらず低いところでベンベン弾いててかっこいいですね〜、TBCとは情の載せ方も違うんでしょうから、原曲とは違うベースラインが浴びられてとても幸せでした。

 

session→ダイアローグ+インビテーション!→大冒険をよろしくの繋ぎはもう犯罪ですね。体力が全てもっていかれてしまいました。

これはオンラインと同じセトリをなぞってるんで分かってはいるんですが、でもやっぱりこういう曲で多動(うご)くのはとても気持ちが良いのでやめられないんですよね。昼はともかく夜は半分首と腕が終わってる状態で暴れたので、これを書いている今日は首がほとんど動かないし伸びをするのも辛いです。この痛みに感謝(???)

 

ぼくらは素敵だの桜吹雪も再現されるとは思っていなかったのであれはなかなかやばかったですね(語彙力)。「向かい風に逆らって」ここまで進んできた甲斐があったというものです。

DIALOGUE+の曲を勝手に一人で弾くやつでライブ前に何を弾いてやろうかとわりと考えたんですが、これにして本当に良かったですね。

 

ほんでおもいでしりとりですね。昼に特殊イントロのピアノが流れた時にオタク大絶叫の片鱗が聞こえてきて面白かったです。

曲の内容的にデカい動きをするものではないのかもしれませんが、とにかく音が好みすぎるので身を任せていたらイントロや間奏、アウトロのmaj7連打で跳ねていました、ごめんなさい(?)

アンコールはなくていい、あるなら本編と繋がりなく1曲の派閥なので今回のセットリストは本当によかったですね。昼はあやふわアスタリスク、夜は人生イージー?。Domestic Force!!とあやふわアスタリスクって同じEDMにカテゴライズされてもやっぱり全然違うんですよね。DFは青い炎が燃えていてその度合いに波がある感じなんですが、あやふわは曲が進むに連れてどんどん温度が上がっていくのがめちゃくちゃ好きなんですよね(個人的感想)。魂のラップも聞けて大満足です。

人生イージー?はやっぱり最後の大団円の演出にぴったりですよね。直前の内山さんのMCの内容を引き継ぐようでとても刺さるものがありました。8本締めはJAM2でのはじめてのかくめい!で見て以来だったので、人生イージー?でのCの8本締めが体感できてよかったです(???)

 

生で浴びられる良い曲がデカい音で降ってくるのはとても最高。この場を作るのに尽力してくださったスタッフ、会場のみなさま、そしてメンバーのみなさま、本当にありがとうございました。次も素晴らしい景色がまた見られるように、ついていきたいと思います。

 

P.S.田淵智也さん、誕生日おめでとうございます。

【雑記】MacBook 12インチ 2017年モデルを買いました(今更)

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(写真の背景が適当でごめんなさい)

いや〜ついに買っちゃったよ(?)

生まれてこのかたWindowsしか触ったことのなかったこのわたくしが昨年6月にMacBook Proを購入して以降というもの、いつの間にか長い年月を共にしてきたWindowsを見捨ててmacOSがメインになっておりました。

購入したMacBook Proは4ポートモデルの13インチ(Intel Core i7-1068NG7@2.3GHz, 16GB, 512GB)で、DAWを開いたり、演奏動画を撮って軽い動画編集をしたり、はたまたYouTube耳コピ配信をしたりと重たい作業もこなしてくれてとてもありがたい存在なんですが、持ち出して文章を書いたりといった外での軽作業には少々重たいなというものがありまして。(16インチでもないのに文句を言うな)

そこで探していたのがこれ。キーボードの打ちづらさ(いうて2日目くらいで慣れました)、トラックパッドの狭さ、拡張性のなさ(拡張性を要することをこのスペックでするな)の代わりに、薄さや1kg未満の軽量を手に入れているわけでございます。

こんなにも薄くて軽いのに、外でメールを書いたり、ブラウザを開いてYouTubeを見たり、Twitterをしたり、Excelを開いたりといった作業なら特に詰まることなくこなしてくれるわけですからこんなに幸せなことはありません(???)

ちなみに購入したのは2017年のいわゆるつるしモデル、Intel Core m3-7Y32@1.2GHz, 8GB, 256GBの構成です。MNYH2J/Aというらしい。

当然中古なんですが買った時にはなぜかmacOS High Sierraが入っていたので一旦SSDの中身を全て消し飛ばしてMojaveをクリーンインストール後、MuseScore 2のMDLを導入してからCatalinaをインストールするというとても面倒くさい手順を踏みました。MuseScore 2のMDLがCatalinaだとMDL対応してないのが悪い(古いソフトを無理くり使おうとするな)

このマシンで配信するわけでもないのでBig Surにしてもよかったんですが老害なのでイマイチUIが好きになれなくて。

MacBook Airも考えては見たんですがM1モデルにエアフローはないしIntelモデルはAirの名前にもかかわらずこの12インチより重いので検討から外しました(?)

というわけで色んなところにこいつを持ち出してシバいていきたいと思います。

MacBookの横に写っているかわいいパンダはわたくしの大好きなロックバンド「THE KEBABS」にたまに登場するイカしたやつです。どうぞお見知り置きを(?)

【コード進行解説】DIALOGUE+ おもいでしりとり

2nd,3rdシングルの熱も冷めやらぬ中、4thシングルの一部が本日より先行配信でございます、DIALOGUE+の「おもいでしりとり」を耳コピしたので早速紐解いていきましょう。

もう入りのピアノからそれはそれは完全神曲の風貌を漂わせ(ry

 

 

1.導入

全体通してKey=G♭majです。転調はありません。

 

2.Pre-intro

IVM7→Vsus4→I/3→VIm7 | = VI7/#1→IIm7 | V→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→V7(♭9) | V→(I)

4536に始まり、TBC定番の2536で殴ってくるアレです。6→2をよりスムーズに繋げるために後ろ1拍をメジャーにして転回、♭VIIのところはIIIm7-5/♭7でもVm7/♭7でも♭VII6でもいいですがまあそういう音です。25の♭9はクラクトリトルプライドを彷彿とさせますね。(編曲者違いますけど)

 

3.Intro

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→I→IIm7-5/5

3456は順次進行なのでいいとして、♭VIIからのやつでまたしてもコード魔神にやられてしまったかと思いましたが、全体的な展開として♭7 ♭6 5という動きに変進行を追加したものになっています。ストリングスがトップノートとして6 3 5 2 4と下がる方向に行っているのが分かりやすいですね。

 

4.1A/2A

I/3→IV→V→VIm→I/3→→IV→V→VIm

I/3→IVM7→V→#Vdim7→VIm7 | V→IVM7→I/3→IIm7 | IIm7/5→IVm | I

3456を2回やって2巡目に入りますが、2巡目では後半を6から下るために前半の最後が#Vdim7に、そしてフレーズ終わりでもVからいきなり解決せずサブドミナントマイナーを挟む流れになっています。

2Aは2段目のみです。

 

5-1.1B

VIm7→IIIm7→IVM7→I | VI7/#1→IIm7→IIm7/5→♭VIaug→♭VII

6341はカノン進行の一部ですね、♭VIaugでビビる人がいるかもしれませんが単純に♭VIが飾られているだけです。

 

5-2.2B

VIm7→IIIm7→IVM7→I | VI7/#1→IIm7→IIm7/5→

IVM7 IIIm7 ♭IIIM7→IIm7 | IIm7/5→♭VI→♭VII | #IVm7-5

2Cへの入り方を変える、楽曲構成上とてもTBCを感じる要素です。

25から♭VI ♭VIIを目指して動くのは変わりませんが、まず間に4から2までM7とm7を交互に繰り返して半音で下る進行が挿入されています。

最後の#4ですがこれは裏コードではなく次のIVM7へのアプローチコードとして見てよいでしょう。

 

6.1C/2C/3C

IVM7→IIm7/5→IIIm7→VIm7→IIm7→IIm7/5→Vm7/♭7→I7 | VI7/#1→

IIm7→IIm7/5→IIIm7 | III7/#5→VIm7 | VI7/#1→IIm7 | V V/4→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→V7(♭9) | V

前半は453625、そしてIVに対するツーファイブみたいなことをやってほーんと流していたら、これは見せかけで2へのセカンダリドミナントが本命、という感じですね。I7の後にVI7を持ってくるのは短3度下降ですが、なぜこれが行えるのかというと、この2つのコードの構成音が、異名同音で同じスケールに同居しているからです。

ハーフホールディミニッシュスケール、いわゆるコンディミというスケールで、1, ♭9, ♯9, 3, ♯11, 5, 13, ♭7で構成されています。G♭を1とすると、()内を異名同音で書くとして、

G♭, A♭♭(G), A, B♭, C, D♭, E♭, F♭(E)

となり、G♭7の他にその短3度下のE♭7が異名同音で現れます。

後半も骨だけ書くと2536253625ですがメロディの綺麗さとリハモが相まってとても美しいサウンドになっています、素晴らしい。

1Cと2Cは全く同じです。3Cは最後の2小節が繰り返しになっています。

 

7.Inter1

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→♭VIaug/♭7

1番と2番の間奏は途中まで完全にイントロと同じなんですが、聞き流していると痛い目に遭います。♭VIaug/♭7は♭VII7から作ることのできるblkコードなので、サブドミナントマイナーということになります。イントロの末尾はIIm7-5/5で、分類上はドミナントですがサブドミナントマイナーの性格も併せ持っているコードでした。つまり1番と2番で大きく違っているということはないです。

 

8.Dメロ

I/3 IVM7 V→=→V #Vdim7 VIm7→= x4→

VIIdim7→III7→VIm7→II7→IIm7 | V→IIIm7 VI7→IIm7→IVmM7 | V

前半の歌無しパートは3 4 5 #5 6の階段、後半は6への25の変形、6から2536へ向かう定番の動きですが、II7を挟んで音にアクセントがついています。いやあそれにしてもここの2536の3連符が本当にずるいですよね。最後は単純な25ではなくサブドミナントマイナーIVmM7が挟まっています。

 

9.Inter2

IV→V→IIIm7→VIm7→IIm7→I/3→IVm7→V | I/5 #IVm7-5

ギターソロです。睦月周平さんのギターソロということで、弊ブログの記事でもとりあげたことのある某コロムビアのアーティストさんの曲を彷彿とさせるものです。興味のある方は聞いてみてください。

それはさておき、コード進行は極めて単純です。45362345ですが、サブドミナントマイナーがDメロにでてきたIVmM7ではなくIVm7が選択されています。

 

10.DropC

IV→Vsus4→IIIm7→VIm7→IIm7→Vsus4→♭VII→I | VI7/#1→

IIm7→IIm7/5→IIIm7 | III7/#5→VIm7 | VI7/#1→IIm7 | V V/4→IIIm7 ♭VII | VI VI/#1→IIm7→IIm7-5/5

おおむね一般のサビを踏襲していますが、やはり最後のIIm7-5/5が耳につきますね。V7(♭9)ではなくV7sus♭9を選択するということに大いに感謝しています(???)

 

11.Outro

I/3→IVM7→V→VIm7→I/3→IVM7→V→VIm7→

I/3→IVM7→V→VIm7→♭VIIM7 IVM7 ♭VIM7→♭IIIM7 | IIm7/5→

♭IIM7 ♭VIM7 VIIM7→♭VM7 | ♭IVm7/♭VI→IM7

イントロと同じ進行を3回繰り返してM7攻撃に入りますが、3段目の物は単に1番や2番のものを短3度上げたものですね。

 

以上です。

MVも素晴らしかったです。毎度毎度神曲を本当にありがとうございます。

【コード進行解説】DIALOGUE+ 人生イージー?

さて、DIALOGUE+の待望の2ndシングル「人生イージー?」が2/3に発売、先行して1/9より配信されています。

早速耳コピしたのでコードの方を確認していきましょう。(記事執筆時点ではすぐ出すつもりだったようです)(時間が経ってみると数カ所コードの違う箇所があります)

 

1.導入

〜イントロ B♭maj

1A Gmaj

1B B♭maj→Cmaj

1C Cmaj

Inter1 B♭maj

2A Gmaj

2B B♭maj→Cmaj

2C Cmaj

D Cmaj

Inter2 E♭maj

DropC〜 Cmaj

という構成です。導入でこんなに行数食ったの初めてですね。

 

2.〜イントロ

Pre-intro, 0C, Introの3セクションを一気に解説していきます。

B♭-D-E♭-E-Fのユニゾンを3回繰り返した後はお待ちかねの...

IIm7(9) | #Vaug VI7(♭13)

augは転回が利くので#Vaugって書いてますけど実際のところIII7(♭13)/#5みたいな感じなんでしょうが。

6に対するSDm→Dをやって6に向かい、その6が次の2に解決する、という流れです。

0Cの部分は

IIm7 | V7→IIIm7 | VIm7→IIm7| V7

なので253625ですね。激しめな部分と単純な部分の差がすごい。

I | IV Vを3回繰り返すとそこに待っているのは...

Vaug #IVaug IVaug IIIaug IIIaug/♭7

バンドじゃないもん!のゴッドソングほどではないですが流石にaugの連続をもってこられると笑ってしまいますね。♭7から5まで半音で下って最後にベースが裏に行く形、はじめてのかくめい!と同じですね。

 

3-1.1A

I | III7→IV | IVdim7→IIIm7 | VIm7→II7 IIm7/5 V7(♭9)→

I | III7→IV | IVdim7→#Vdim7 | VIm7 #Vdim7→IIm7 V7 I

IVdim7って書きましたがニュアンス的にdim7っていうよりはm6-5みたいな感じを受けますね。SD-SDm-3-6の見知った動きが出てきます。

 

3-2.2A

I | III7→IV | IVdim7→IIIm7 | ♭IIIdim7→II7 IIm7/5x7→

I | III7→IV | IVdim7→#Vdim7 | VIm7 #Vdim7→IIm7 V7 Ix6

バグ起こすところに耳が行きがちですが、3小節目の3拍目のコードが3と2を半音で繋ぐディセンディングdimに取り替えられています。

 

4.Bメロ

IIm7 | V7→IIIm7 | VIm7→IIm7| III7→VIm7 |→

→| VIm7→IIm7 | V7→IIIm7 | VIm7→VIIm7→III7→IV | V

1段目がB♭maj、2段目がCmajでの表記です。

2536、VImへ向かうSDm→D、マイナー平行移動、2536、そしてCmajorのレラティブキーのAminorのツーファイブをやって、SD→Dです。

 

5.1C/2C

IIm7 | IIm7/5→IIIm7 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→I | #Idim7→

IIm7 | IVm/♭6→IIIm7 VI7→IIm7 | IIm7/5→I | VI7/#1→IIm7 | I/5 Vaug→I VIIaug ♭VII

2536を中心として、たまにSDmだったりセカンダリドミナントだったりが挿入されるパターンです。あれ、はじめてのかくめい!のような複雑さはどこへ行ったんでしょうか...となりますが、他のセクションが入り乱れているのと、この曲はキメが拍とズレていたりするのでそういった部分で遊んでいるんですね。

 

6.Inter1

IIm7 | IVm7→IIIm7 | ♭IIIdim7→IIm7 | IVm7→Vaug #IVaug IVaug IIIaug IIIaug/♭7

ここはB♭majです。

 

7.Dメロ

IVM7 | IVm→IIIm7 | ♭IIIdim7→IIm7 | IIm7/5 ♭IIM7→I Iaug7/♭7 | IIIm7-5/6 VIaug/♭3→

#IVm7-5 | VII7→IIIm7 | ♭IIIdim7→IIm7 | I/5 Vaug→I VIIaug | I ♭II7→I VIIaug | I

いやいやいやちょっと待て感がすごくなってきましたね。

SD→SDmに始まり3、ディセンディングdimでツーファイブへ繋ぐ、いきなりベースが裏の♭IIM7へ行って(裏コードではないです)、Iへ解決、Iがaug7になってベースが第3転回形となり結果的にblkコードの形、これは6の半音上のドミナントセブンスですね、そしてIIIm7-5/6はVI7sus♭9、今度は正真正銘VI7の裏コードの♭III7をもとに作ったblkコードのVIaug/♭3、ということで、大きな骨組みとしては2516なんですが、リハモがされまくっているというわけですね。♭IIM7はフリジアンと言えなくもないですがそんなにはっきりモーダルインターチャンジしてるかといえばそうでもない気がします。I7(Iaug7/♭7)からVI7(IIIm7-5/6)は解決の動きではないですが、短3度の関係にあるドミナントなので、ハーフホールdimスケールにしたがって飛ぶことができます。

VI7から#IVm7-5というのは一見飛躍してそうですが、6→2の動きで2をメジャーにしてルートを省略するとこの音になりますね。#473という見慣れた動きにディセンディングdimで2へ繋いだ後は一般のサビ終わりと同じ形です。

 

8.Inter2

IIm7 | V7→I | VIm7→IIm7 | V7→I | #Idim7→IIm7 | VII7→♭VII7 | VI7→

IIm IIIm IV V ♭V→

III VI II V I→I7→Isus4 | I #Idim7

前半部分はああ普通の2516からの秀和氏にありがちな7 ♭7 6(ドミナントセブンスの半音解決)ね〜と流せるんですがその後ですよね、ものすごいことが起きてるように聞こえますが、Bまで上ってそこから736251と強進行しています。

 

9.DropC

IIm7 | IIm7/5→IIIm7 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→♭VIIaug ♭VIIaug/3 | VIaug VIaug/♭3→

#IVm7-5 | VII7(♭13)→♭VII7(♭13) | VI7(♭13)→IIm7→IIm7/5→IIaug VI7(♭13)

嵐の後には嵐が待っているものですね(白目)、間奏でグチャクチャにされた頭に「みらいてま〜ねき〜〜」の攻撃が刺さります。

2536で安心してたら裏コードの暴力からのいつもの#4 7 ♭7 6でノックアウトされてしまいます、落ちサビだからといって油断は禁物です(?)

 

10.3C

IIm7 | IIm7/5→IIIm7 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→I | #Idim7→

IIm7 | VII7(♭13)→♭VII7(♭13) | VI7(♭13)→IIm7→IIm7/5→IIm7 | IIm7/5→I | VI7/#1→

IIm7 | IIm7/5→VIm ♭VIaug | I/5 #IVm7-5→IIm7 | IIm7/5→I VIIaug | I

1段目は1C,2Cと同じ、2段目は途中までDropCをなぞり1C,2Cと同じ終わり方、そのまま3Cは終わりではなく3段目で25をやって6へ偽終止からのベース下降クリシェ、251で終わりです。

 

11.Outro

IIm7 | IIm7/5→IIIm7 | VIm7→IIm7 | IIm7/5→I | #Idim7→

IIm7 | VII7(♭13)→♭VII7(♭13) | VI7(♭13)→IIm7→♭IIM7→

I VII ♭VII VI ♭VI V→I VII ♭VII VI ♭VI V→I VII ♭VII VI ♭VI V→IV Vaug I

ほぼ3Cをなぞっています。♭IIM7はフリジアンと言えなくもないですがメロディはアイオニアンのままなので間奏部分と同じようにコードだけ取り替えたものでしょう。

 

以上です。田中秀和さんの楽曲は(これの作曲は田淵智也さんですが)リハモが多く一聴すると複雑で何やってるのかわけわからなくなりますが、骨組みはとても単純で非常に分かりやすいものです。

 

小生の推しは黄色い人です、よろしくお願いします(?)