雨音工房

主に声優・アニメ楽曲のコード進行を解説していきます。たまにガジェットの話題をやるかもしれません

【コード進行解説】小倉唯 アップル・ガール (*-v・)🍎

カノン進行とその発展形について、非常にいい教材なのでやります。

 

 

1.導入

Key=Gで転調なしです。ありがたいですね。あとこの動画内にD#m7-5ってコード出てくると思うんですけどそれ全部F#m7-5の間違いなんで変換しておいてください。よろしくお願いします。

 

2.イントロ

てーってってってってっててーのところ、作ったときはI→Isus4→VIIdim→Iかなと思ったんですがVIIdimじゃなくて普通にV7add11ですね、11thのテンションはかすかに聞こえる程度なのでまあ省いちゃってもいいかなとは思いますね。

大元はカノン進行なのでその変形のプロセスを書いていきます。

①カノン進行「I→V→VIm→IIIm→IV→I→IV→V」を用意する。

②ベースがダイアトニックに下降するように転回、または同じ機能をもつコードで代理する。(最後のIIm以外は特に決まりはないのでメロディーに合わせて柔軟に弄ります。)

I→V/7VImIIIm/5→IV→I/3IIm→V

最後のV以外の偶数小節目のコードを、次の小節のコードに対するセカンダリドミナントのツーファイブで置き換え(6小節目はファイブの方もマイナーにする)冒頭以外のコードをダイアトニックのセブンスコードにする

I→VIIm7-5 | III7(V7/VI)VIm7Vm7 | I7(V7/IV)IVM7IIIm7 | VIm7IIm7V7

どうでしょう、原曲はIII7が第1転回形のIII7/#5になっていたり最後で直接V7に行くのではなくIVを挟んでいますが、イントロはカノン進行を弄りまわしてできている、というのがよく分かると思います。

 

2.Aメロ

I→Iaug→I6→I7。気持ちいいくらいのクリシェですね。I7はV7/IVなので勿論IVM7へ、半音下がってIImを目指しそうなツーファイブのIIIm7 | VIm7、そしてIIm7と行きたいところですがサブドミナントマイナーのIVmが来ます。IIm7はサブドミナントの機能をもっているので、IVで代理できます。SDが使える、ということはSDmも勿論使える、という理屈です。最後はドミナントで締め。再びクリシェ、I7の前にVm7が挿入され、リレティッドIIm→V7/I→IVM7の流れを作ります。IVM7→IIIm7 | VI7→IIm7 | V7→Iとツーファイブを連続させながら解決します。これ、1巡目と違うのはダイアトニックコードではマイナーの6度のコードがノンダイアニックコードのメジャーになっているところですが、最初はマイナー、2度目でメジャーというのはアニソン系でよく使われる変化で、IIIやVIはこういった形で頻繁に出てきます。

 

3.Bメロ

IVM7→V/♭7→IIIm7→VIm7、綺麗な王道進行です。VIm7→IIm7で強進行して、順次進行が始まります。IIm7→I/3→IV→#IVm7-5→V7、聞いていてめちゃくちゃ気持ちがいいですね。メロディーに合わせてIIImをI/3に変えるのはよくありますね。ここのノンダイアニックコードはV7のセカンダリドミナントのII7にテンション9thを付加したII7add9のルート省略形と見るのが一番簡単だと思います。具体的に書くとD7のドミナントがA7、つまりA,C#,E,Gで、テンション9thを付加してA,C#,E,G,B、ルートAを省略してC#,E,G,B、つまりC#m7-5となるわけです。Yeah!のコールとともに気分がサビに向かって盛り上げられるようによく作られていると思います。

 

4.サビ

1巡目はI→VIIm7-5 | III7/#5→VIm7→Vm7 | I7→IVM7→IIIm7 | VIm7→IIm7→V7、イントロと同じ、2巡目は2回目のVIm7が出てくる箇所でVI7が使われていますが、これで本来のリレティッドIIm→V7/IIとなるわけです。最後の箇所ですが、トニックには飛ばずに♭VII7とかいう一見意味わからんコードを挟んでからドミナントに戻ってトニックです。構成音としてはF,A,C,E♭,Gですね。SDmは何がSDmたらしめているかというと♭6の、GmajでいうとE♭なので、IVm以外ではIIm7-5のAm7-5(A,C,E♭,G)と♭VII7のF7(F,A,C,E♭)の辺りがアニソンではよく登場します。遠回りになりましたが、♭VII7はサブドミナントマイナーの代理コードだったんだと分かりました。この小節の後ろはV7なので前の2小節と本質的には同じだったということですね。

 

5.間奏

今まで割とかわいい感じだったのにいきなりギターソロ入るんかいってビビりました。

入りは王道進行、IVM7→V7→IIIm7→VI7です。4小節目をメジャーにすることでこの後のIIm7を強く導くセカンダリドミナントになっていますね。IIm7 | I/3→IV→Im7 | I/3→IV | #IVm7-5→D7と階段を昇ります。

 

6.Cメロ

ここも王道で入ります。IVM7→V7→IIIm7→VIm7、強進行でIIm7→V7、V7からみると綺麗なツーファイブワンです。Vm7→VI7が強烈ですね。Vm7ですがVI7を見るとドミナントマイナーというよりIIIm7-5のルート省略形にテンション9thがついてVI7のリードトーンになっていると考えた方が自然ですかね。次の#IVm7-5もVI7から続くことを考えるとII7add9のルート省略形、半音をIIm7まで下って強進行してVI7、これをセカンダリドミナントと見てIIm7から再び階段を昇ります。

 

こんなところでしょうか。ルート省略形という考え方が結構便利ですよね。この進行なんなの?と思ったら強進行の形からルート省略形を疑うとこの曲はスムーズに行きました。

 

小倉唯さんは10/30に10thシングル「Destiny」をリリースされるようですね。噂によるとサビ前で綺麗に👏🏡🐯ができるらしいのでANIMAXやリスアニに参加される方は(以下略)

 

PVが超かわいいので置いておきます。疲れたときにどうぞ(?)

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では